朝日新聞出版<br> 街道をゆく 37

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朝日新聞出版
街道をゆく 37

  • ISBN:9784022644916

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内容説明

近代化を急ぐ明治期の日本において、欧米文明を受け入れ地方へ配る「配電盤」の役を担い、さらに日本最初の大学が置かれた街、本郷。往時をしのぶ町並みに、夏目漱石、森鴎外、樋口一葉ら、この街を愛した文豪が書き残した面影をたどる。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

molysk

59
加賀藩邸の広大な敷地が明治維新の後に東京大学となり、西洋文明を地方へ発信する配電盤となった。お雇い外国人が住む街には、志に燃える若者たちが集まってくる。その中に正岡子規や夏目漱石、森鴎外らがいた。台地を下れば坪内逍遥や樋口一葉が過ごした跡が残る。本郷は文豪ゆかりのまちであり、作品の舞台であった。鴎外は「団子坂」で若い男女の駆け引きを描く。二人の会話で引用されるのが漱石の「三四郎」である。熊本から上京した青年の三四郎が、都会的な蠱惑の女性の美禰子を見初めるのが三四郎池のほとりで、今も東大構内で水をたたえる。2023/10/29

Book & Travel

55
【司馬遼太郎の八月@真夏の街道まつり2019】東京・本郷とかなりピンポイントな紀行。東大が置かれ、明治期には西洋文化を受け地方へ配る配電盤の役割を果たした地域であり、漱石や鴎外ら文豪ゆかりの地でもある。司馬さんは漱石を中心に作中に描かれる場所を辿りつつ、本郷の輪郭に迫っていく。もちろん歴史はそれだけに留まらず、江戸期には加賀藩邸と水戸藩邸が置かれ、近代を曳きよせた近藤重蔵や最上徳内らのゆかりの地でもあり、話は尽きない。モース、春日局、坪内逍遙、樋口一葉、朱舜水…。歴史を感じながらゆっくり廻りたい土地だ。2019/07/30

k5

52
思わず「近場やん」と言ってしまいますが、司馬さんは大阪の人なので、本郷界隈は旅してきているんですね。でも旅館はなく、文学散歩といった感じの読みやすい一冊。『街道をゆく』を読んでいると思いますが、司馬さんはかなりの日本近代文学ファンで、思えば『坂の上の雲』は子規が主人公の一人なので当たり前なのですが、下手な文学評論を読むより文学論として面白いです。おすすめ。2024/09/08

Toshi

25
「街道をゆく」では、これまでも自分が歩いたり、訪ねたい場所を、司馬遼太郎さんと歩き、思考的道草を楽しんできた。本書は最近読み友さん達が立て続けに読んでいたのと、今の勤め先が本郷であることから手に取った。「本郷もかねやすまでは江戸の内」と言われたかねやすも、ビルは未だ健在だが、店はシャッターが降りたまま。本郷弓町の大クスは、その雄大な姿を残しているが、楠亭は、イタリアンレストランに代わっている。順天堂大学や東大医学部があるからか、医療関連の企業が多く、今ではメディカルヒルズ本郷とも呼ばれているらしい。2021/11/28

金吾

23
○文豪や江戸時代の名士を思い浮かべ古きよき時代を想像しながら散歩しているように感じます。本郷は身近な町でしたので情景が思い浮かべやすく面白かったです。2021/12/25

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