朝日新聞出版<br> 街道をゆく 6

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朝日新聞出版
街道をゆく 6

  • ISBN:9784022644459

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内容説明

沖縄県では、本島よりもずっと南西に浮かぶ八重山諸島などを「先島(さきしま)」と呼ぶ。那覇にあって太平洋戦争の傷跡から「沖縄問題」を沈思し、離島を渡り歩き、アジア文化伝来の道を確かめる。

目次

那覇・糸満(那覇へ 沖縄について 那覇で ほか)
石垣・竹富島(石垣島 宮良殿内 竹富島へ ほか)
与那国島(与那国島へ 南国食堂 小さな魚市 ほか)

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

Kawai Hideki

80
今週、沖縄に行って来た。旅行中、沖縄の何を見るか、見えているモノの背景に何があるか、を考える拠り所として読んだ。本書は、沖縄本島、石垣島、竹富島、与那国島などの離島をめぐる旅と並行し、昭和の沖縄戦、明治の琉球処分、江戸時代の薩摩藩による侵攻、15世紀の琉球王国による三山統一、琉球王国以前の楽園的な石器時代と、歴史を溯っていく。沖縄戦の犠牲者は二十余万。対して関東での本土決戦を覚悟した司馬遼太郎の所属部隊の上官の言葉がずしりと響く。逃げる市民は「轢っ殺して行け」。軍隊が守るのは市民ではなく軍隊自身なのだ。2015/03/07

molysk

63
本土への返還から2年足らずの沖縄をゆく。那覇では、島津家の支配から明治政府による琉球処分、そして沖縄戦の惨禍と、沖縄と本土の間の歴史をなぞる。空港でふと耳にした地元の人の言葉から、本土の人への複雑な感情がにじみ出る。竹富島へ。当時は観光化されておらず、島の景色は伝統を色濃く残す。旅の終点は、西の果ての与那国島。台湾は手の届く距離にある。日本と大陸の間を結ぶ沖縄と先島の島々は、両側からの影響を受けることになった。言葉や祭祀といった文化や、鍛冶や建築といった技術など、多様な視点からの読み解きが鮮やかである。2023/11/26

kawa

48
沖縄・先島編。作家・島尾敏雄氏との会話、沖縄との関係を「自分を日本人と規定するより倭人と規定する」が印象的。解説氏も「本州弧と琉球弧の共通の先住民として原倭人の概念を設定した」と。この辺が沖縄史を論ずる肝かも。沖縄本島と先島別物。同列で議論できないという点も改めての再確認。執筆当時にも様々な「沖縄問題」が横たわっていたようで流石の司馬先生も、紀行記ではそこへまで突っ込み出来なかった印象。(今年300冊目)2019/12/23

優希

43
沖縄は一度那覇に行ったことがあります。次に行く機会があれば那覇以外の場所も行ってみたいと思いました。先島諸島の歴史の深さが興味深いです。2024/03/28

Shoji

40
沖縄や北海道の歴史地理学や民俗学は大衆が読む文章にすることは大変難しいと思います。 特に沖縄は太平洋戦争で唯一地上戦が行われた場所だけに簡単には語れないと思います。 ですが、司馬遼太郎の主張は明快です。 厳しいものは厳しい、美しいものは美しい、暑いものは暑い、そんな感じで実に単純明快です。 「街道をゆく」は数冊しか読んいませんが、この巻が最も惹きこまれました。2016/05/12

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