内容説明
国家とはなにか──「古くは国主なき国」だった台湾は、その後、スペイン、オランダ、日本、そして大陸から来た“外省人”に支配され続けた。「奇跡」を経て、“本島人”の国になりつつある変革期の台湾を歩く。李登輝氏との対談を併録。
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
ミカママ
493
いわゆる「紀行」とは少々趣を異にしている。名所旧跡や旨いものを訪ねるというような。旨いものどころか、著者が何かを食べている風景もなかった気がする。そこにあるのは、著者が関わった「人」を通じて見えた台湾。生きた歴史であり、今である。現代史に疎いわたしにも、こういう側面から斬りこめばよく理解できるのだなぁ。彼の地の日本贔屓にいつまでもあぐらをかいていてはいけないし、かつわたしにとっての未踏の地・台東地方も、次回はぜひ(この作品を手にして)と思わせる作品だった。台湾好きには読んでもらいたい。2022/09/13
ヴェネツィア
298
司馬遼太郎は、ここでも日本との関係の中から、台湾の歴史を振り返ってゆく。しかも、それはまだまだ現代史である部分も多い。なにしろ、元の台湾総統であった李登輝などがライブで登場するのであるから。私たちは台湾の歴史をどれだけ知っているだろうか。17世紀に、オランダ東インド会社が、東方貿易の中継ぎ基地として、またサトウキビの生産拠点として台湾にゼーランダ城を築いていたこと。もう少し古くには、明末に鄭成功が台湾で活躍したこと(もっとも、史実としてよりも近松の『国姓爺合戦』で知っているのだが)。日清戦争後に日本が⇒2026/01/15
まーくん
108
久し振りの司馬遼太郎。独特の語り口。司馬史観に引き込まれると思いながら本書を読み始めた。紀行と言いながら食事や買い物の話は殆ど、全く出てこない。旅をしながら、人との出会いを大切に、その土地々々の風俗や歴史について語る。著者の旅は1993年。正月にまず、台北を訪ね、ほぼ同時期に学徒動員で徴兵された経歴を持つ、当時の李登輝総統と懇談。四月に再訪台、先に西海岸、新営、台南、嘉義、高雄などを回り、その後、地形急峻な東海岸、台東、花蓮を巡る。オランダ人のゼーランジャ城築城から対岸福建省などから漢族農民の移住。⇒2023/09/05
chantal(シャンタール)
89
【司馬遼太郎の二月・菜の花街道まつり2021@司馬塾】もう随分長いこと行ってないけど、高雄から台東、花蓮、台北と、今回の司馬さんの旅程と同じようなルートを辿った時の事が懐かしい。台湾を語る時、私たち日本人は複雑な気持ちにならざるを得ない。確かに親日的な人が多く、日本の統治時代を懐かしんでくれる人もいる。でもそれを免罪符に日本のした事を美化する事は出来ない。今後の台湾の行く末を考えた時、司馬さんや李登輝さんが言うように「台湾人のための台湾」である事を願わずにいられない。2021/02/16
Book & Travel
48
今やIT企業も集積する先進的な台湾だが、そこに至るまでの苦難の歴史が分かる一冊。日本支配の50年、蒋政権による抑圧の40年を経て、ようやく本島(台湾)人の李登輝氏が総統に就いた頃の台湾の旅。台北、新営、高雄、台東など各地を廻りつつ、台湾総督時代の児玉源太郎と後藤新平、オランダ人を追い出した鄭成功、台南の灌漑事業に人生を捧げた八田與一と、熱量溢れる歴史話が展開される。が何と言っても本書の主役は、李登輝氏はじめ各地で出会う人々の、国家に翻弄された半生の物語。旅の末の「台湾はこの人たちのもの」という言葉が重い。2021/02/26
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