内容説明
1971年の連載開始から96年2月の急逝によって未完のまま閉じた司馬さんの旅は、日本国内にとどまらない。日本に最も近い外国・韓国。2000年の長きにわたる交流の歴史を持つ国を歩き、現代から過去へと遡る旅。
目次
加羅の旅(韓国へ 釜山の倭館 倭城と倭館 ほか)
新羅の旅(首露王陵 新羅国 慶州仏国寺 ほか)
百済の旅(大邱のマッサージ師 賄賂について 洛東江のほとり ほか)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
ヴェネツィア
269
『街道をゆく』の海外篇も、かなり読み進めてきて、後はもう『耽羅紀行』と『ニューヨーク散歩』を残すばかりになった。さて、この『韓のくに紀行』だが、篇中でも司馬遼太郎が最もリラックスして書いているように思える。司馬にとって、韓国が(あるいは朝鮮半島が)長年にわたって関心を持ち続けた地であったことや、地理的な近さから旅の負荷が小さかったことなどもあるのかもしれない。司馬が韓国に向かったのは1971年のこと。この時の彼の関心は、もっぱら韓国の田舎にあったようだ。しかも、それは特定の名所や旧跡ではなく、普通の田舎⇒2026/04/01
molysk
64
1971年に韓国へ渡り、加羅・新羅・百済の足跡を中心に朝鮮史をたどる。朝鮮と日本の歴史が対比される。共に中国から律令国家の仕組みを取り入れたが、日本では武士の勃興で朝廷が実権を失ったのに対して、朝鮮は近代にいたるまで王朝による中央集権型の官僚制を保った。武装農民である武士は地に足のついた文化をはぐくみ、儒教による倫理が支配する文化とは大いに異なる発展を遂げたとする。朴正煕政権下の韓国はいまだ貧しく、農村部では韓のくにの原型をとどめていたようだ。現地の人との会話に、日本支配の生々しい傷跡が垣間見える。2023/07/26
さつき
64
先に『砂鉄のみち』を読み、司馬さんの朝鮮半島への熱い思い入れを知り興味を持ちました。今まで何となく避けていた巻でしたが、色々驚きの連続で面白かったです。旅の途中で出会う強烈な人物や出来事に、不愉快を感じるどころか、どうしてそうなってしまうのかあくまで理解しようとする司馬さんの意志に感服します。秀吉の朝鮮出兵で降伏し、以後朝鮮側に付き戦った沙也可という武将の物語は特に印象的でした。2018/07/29
kawa
50
日韓大騒ぎの時期に読了。長い歴史から見ると中国が親、朝鮮が兄、日本は弟ということか。そういう意味で言うと、明治の時代の日本の朝鮮に対する様々なおせっかいは、お品の悪い行動と兄は見ていたのだろう。兄のげんこつに、弟が飛び蹴りで返した今の図。親もあてにできないのだから、ほとぼりを覚ますしかない。売らんかなマスコミが騒ぎすぎ、それが不幸だ。2019/08/04
Die-Go
33
図書館本。韓半島の旅。百済と新羅の戦いから思いを馳せ自由奔放に考察をする。いいねぇ。 唐や高句麗との四つ巴の(日本はほぼ部外者)半島の歴史を振り返る。人によって今だに国々の好みはあるのね。 面白かった★★★★✩2025/04/28




