角川文庫<br> 金田一耕助ファイル18 白と黒

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角川文庫
金田一耕助ファイル18 白と黒

  • 著者名:横溝正史
  • 価格 ¥858(本体¥780)
  • KADOKAWA(2012/05発売)
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  • ISBN:9784041304136

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内容説明

平和そのものに見えた団地内に、突如怪文書が横行。プライバシーを暴露する陰険な内容に、住民たちは戦慄をおぼえる。その矢先、団地のダスト・シュートから、真黒なタールにまみれた女の死体が発見された。眼前で起きた恐ろしい殺人に団地の人々の恐怖は頂点に達する……。謎のことば「白と黒」の持つ意味とは? 団地という現代都市生活特有の複雑な人間感情の軋轢と、葛藤から生じる事件に金田一耕助が挑戦する!!

カバーイラスト/杉本一文

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

Kircheis

226
★★★★☆ 成城のある団地で起こった凄惨な連続殺人に金田一耕助が挑む長編。 横溝先生ご本人もゲストで登場する(笑) 顔のない死体や謎の脅迫者など序盤から魅力的な謎が提示される。また団地の住人たちの群像劇のようなストーリー構成も好みで、「これシリーズ最高の名作になるのでは?」と途中まで思ったりした。 しかし、題名でもある「白と黒」の意味がつまらない上に、物語の不可思議性が単に偶然によって出来たもので、蓋を開ければ真相は全然ひねりのないありふれた犯行だったりと、後半はやや尻すぼみだったのが残念。2020/12/24

セウテス

77
金田一耕助シリーズ第23作目。〔再読〕昭和30年代から始まった、「団地」を舞台に近代的なテーマで展開する。直ぐに殺人事件がおこり、テンポもいつもより素早く感じられ、ある意味違和感はある。舞台設定も地方、孤島、旧村が親族や縁故で住人が繋がっていたのに対し、逆にこの団地は全く関係ない人びとで、コミュニティが形成されている。如何にも現代的な問題点を、団地であるが故の偶然から起こる惨劇に、見事に作り上げていると思う。終章で明らかになる全容は、白と黒を表しているのだが、団地という無作為な人間関係の怖さに寒けがした。2016/02/09

TAKA

76
白と黒ってそういう意味だったのか。今回の舞台が農村ではなく昭和30年代後半な団地。怪文書が出回っての殺人事件。ページ数が少なくなっていくのに最後まで犯人がわからなかった。にしても、張り込み中に居眠りするか!やっぱり高度成長期真っ只中の東京が舞台だけあっておどろおどろしさはなく、なんかスマートし過ぎた感はあったかな。横溝作品に人権侵害とか不適切表現を省いたら横溝作品ではなくなりますからね。2020/06/27

金吾

57
面白いですが、途中の伏線が冗長でした。白と黒の意味がわからないまま読んでいましたので、犯人はともかく理由はさっぱりわからないままでした。ラストは無能すぎる警察に唖然としました。2022/10/16

HANA

56
現代の団地の人間模様を中心としているため、所謂「横溝らしさ」というものは希薄であるが、近代建築の中を駆ける金田一というのも趣があってなかなかだと思う。事件の内容も広義の「顔のない死体」に当たるし。伝承や因習から来る人間関係が遠因となっている作品とは違い、実生活の中の人間関係が原因というのはむしろ当時のミステリ全般に近いような気もする。動機とかもこちらの方が生々しいし。ついこないだ原型となった作品も読んだが、様々な要素を組み合わせている点とか話の流れとか、やはり長編の方が読み応えがあるなあ。あとS・Y先生。2013/11/17

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