角川文庫<br> 金田一耕助ファイル13 三つ首塔

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角川文庫
金田一耕助ファイル13 三つ首塔

  • 著者名:横溝正史
  • 価格 ¥594(本体¥540)
  • KADOKAWA(2012/05発売)
  • ポイント 5pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784041304068

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内容説明

少女時代に両親をなくし、伯父宅に引き取られた音禰に、遠縁の玄蔵老人からの遺産、それも百億円相続の話がまい込んできた。しかし、それには見知らぬ謎の男との結婚が条件だという。思いもかけない事態にとまどう音禰の周辺で次々と起きる殺人事件。おびただしい血が流された魔の惨劇の根元は、玄蔵が三人の首を供養するために建てた“三つ首塔”に繋がっていた――。

カバーイラスト/杉本一文

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

こーた

157
抱かれてはじまる恋もある、のか?降って湧いたような百億円の遺産相続(百億て笑)。相続人の親戚はとつぜん増えて、しかもみんなが変態だ。お嬢さまは夜な夜な妖しげな地下空間へ連れ出され、悉く殺人現場に遭遇し、逃げて、囚われて、犯されかけて、悪党に助けられて、燃えあがる。すべての謎は三つ首塔が握っている!らしい。どこにあるんだかわからないけど。ミステリなのかホラーなのか、はたまた世間知らずな令嬢が変態の世界を覗くアドヴェンチャーなのか。暗中模索の五里霧中、助けて金田一耕助氏!て先生ぜんぜん出てこないじやん笑。2018/04/19

nobby

136
いやはや面白くて夢中で読んでしまった!これは本格ミステリでなく、一人のお嬢様のエロ満載いや純愛おのろけ三昧のハチャメチャ逃走劇(笑)突如湧き上がる百億円の遺産相続話から始まる関係者をめぐる連続殺人。それにしても時代を反映してか、アクロバット・ダンスやストリップ、見世物、地下での妖しげな宴やSMなどもう何でもあり…何せ美貌な乙女が全身曲線まるだし黒タイツで弄ばれ監禁されとは、周囲にいる男達の破廉恥具合はロクなもんじゃない…そもそも強姦から始まる激愛ってどうなんだ…存在感こそ示しつつ金田一は最後真相語るのみ♪2018/10/14

HANA

80
再読。金田一耕助が事件の謎を解くミステリ、というよりは『八つ墓村』のように事件関係者が己の体験を綴った構成となっている。その主人公が事件に巻き込まれ逃亡生活を送るヒロインという事で、サスペンスと謎には溢れているが事件の全体像は掴みにくくなっているな。常に事件の渦中に身を置くことを余儀なくされた『八つ墓村』との違いかなあ。故に金田一耕助の出番もほとんどありません、残念。ただ巨額の遺産を元にした一族間での犯罪や、戦後の乱れた風俗に纏わるエロスやグロテスクは、土俗とはまた違う著者の世界を覗かしてくれました。2023/07/10

レアル

67
このシリーズは本当に読みやすい。ヒロインの逃走劇というイメージが強かったこの物語。それとも愛の物語かな。。金田一の登場も少なかったし、必要性もあったのか?とも思ったが、ちゃっかり登場して事件を解決。シリーズとして異色な作品のようにも感じたが、これはこれで面白かった。。2015/08/09

セウテス

67
〔再読〕宮本音禰がヒロインであり、彼女の視点で物語が進みます。大学を卒業した音禰が、莫大な遺産を継ぐことになり、次々と殺人事件が起こる事になります。金田一は最初から登場しますが、他の作品と異なり音禰の視点なので、犯人を推理していく状況は描かれていません。トリックや動機の謎などを考えるミステリーとは違い、ヒロインの活劇ドラマの感が強い。その代わりに、音禰がじわじわと犯人や親族、金田一からさえも追い詰められていくサスペンス感を堪能できます。意外な犯人が用意されていますが、横溝作品としては例外的だと思います。2015/04/29

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