内容説明
都内のホテルで弘前(ひろさき)の古書店主が殺された。殺人現場から消えた太宰治の肖像画はどこに? 遺(のこ)されたメモ“コスモス、無残……”の意味は? 名探偵・浅見光彦は津軽へとぶ。被害者が主宰した「『津軽』を旅する会」に事件の鍵があるとにらみ、参加者を訪ね、そのコースを辿る。蟹田(かにた)─金木(かなぎ)─五所川原(ごしょがわら)……そこには奇妙な証言の数々が! 津軽半島を旅情豊かに描く本格推理。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
あつひめ
72
今回は、旅は二の次、謎解きがほとんど…だったような気がする。せっかく津軽まで行くならもう少し観光してみたかった…なんて読者の勝手な思いですが(笑)やはり、浅見光彦vs母親雪江のやり取りは…ほんの少しでもお約束のようにあるだけで安心します。さあ、次は浅見さんにどこに連れていってもらいましょうかね。安心して読める旅情ミステリー…何て言ったら内田さんに失礼かなぁ…。2014/04/30
Taka
46
浅見光彦、旅情ミステリーシリーズ。題名の通り青森県が舞台。今回も安定の面白さ。毎回ヒロインに心惹かれつつも成就せず。そこも安定している。2019/10/02
及川まゆみ
12
津軽を旅したので津軽に関連した本を探して読む。刊行がもう30年ほど前になるんですね。「津軽の貧しさは基本的に太宰の頃と少しも変わってない。米もリンゴも津軽を豊かにはしない。津軽をわずかに潤してきたのは、公共投資のおこぼれのようなものだ」「1000年の歴史が物語るように中央への不信は、いわば津軽の、あるいは東北の、伝統のようなものだ。その歴史が津軽人の結束の硬さと、その反面の偏狭さを生んだ。」云々という箇所が著者の津軽論であり、本作品のキモなのだろう。津軽の人が読んでもあまり嬉しくないかも。2019/03/02
十六夜(いざよい)
11
謎のダイイング・メッセージを残し、弘前の古書店主が東京のビジネスホテルで毒殺された。殺人現場から消えた太宰治が描いたという肖像画の行方は?光彦は真相を求めて津軽へ向かうがそこで第二の殺人が…。散々太宰治について盛り上げておいて、ちょっと結末が残念だったかな。知識としてはとても興味深く楽しめた。2019/08/17
ごへいもち
8
内田康夫のミステリーの後書きはとても楽しみ。この本もなぜ○○殺人事件というタイトルが良いのかが書かれていて納得。事件は最初のほうはよかったけど途中から登場人物を追いきれなくなってイマイチ2011/02/05