- ホーム
- > 電子書籍
- > 絵本・児童書・YA・学習
内容説明
盲腸の手術をした5年生の正君におばあちゃんが12色のクレヨンをくれました。そのクレヨンの一本一本が、正君のねむりの中に順々にあらわれて、むらさきはスミレの花、みどりはヘチマ、黄色はエンゼルの話……12のお話をはじめました。楽しくて、すこし心がいたむ「クレヨン王国」シリーズ4作め。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
かのこ
49
盲腸の手術をした正君の夢にあらわれる12のクレヨンによる12のお話。福永先生の色彩豊かなワールドが存分に発揮された捨て作品なしの短編集。青色クレヨンのフーとスーの物語とか白クレヨンの修学旅行話が好きだけど、「ブタ別荘」と「ドングリのかくれんぼ」は深すぎて完全に児童書を超えてるな…。すこし心がいたむというあらすじ紹介がぴったりの、切なかったり、やるせない悲しみのある話が多いけど、ラストの「いちご村」は、砂漠にあった氷の上のいちご畑の描写がなんとも綺麗でファンタジーの美しさを堪能できる。再読して良かった。2017/05/23
レモン
46
12色のクレヨンが語る12の物語だが、表紙から想像する可愛らしさからは少し離れた作品が多い。自分の悪口を聞いてどんどん性格が歪んでいくドングリ、友情の嫉妬に狂った月、住処を理不尽に奪われていく野原、自らに想いを寄せるカレイを食材としてしか見ていない少女。中でも『ブタ別荘』の玉光のセリフ「いちばんすきな人が、いちばんこわい人なのだ。育ててくれた人が、ころそうとする人なんだ。」は心にずっしり重く響く。今読んでも十分楽しめる。もちろん『レールの中のスミレ』や『北風フーと青空スー』のようなほっこりする話も大好き。2022/03/10
紫伊
10
久しぶりにクレヨン王国を読みました。どのお話もとても描写と文章が美しく、読んでいて心地よかったです。表紙の淡いタッチとぴったりだなと改めて感じました。話のほうは可愛いものから救いのないものまで。特に印象に残ったのは「野原のひっこし」と「いちご村」でした。「野原のひっこし」は人間のエゴによって我慢しているおのたちがたくさんいるのだと痛感しました。「いちご村」はいちごのとても美味しそうな描写と読んでいてわくわくする展開がすきです。2015/02/11
昼夜
9
優しい文章から学ぶべきものが溢れてる。2010/04/06
こうちゃん
8
クレヨン王国大好きです。短編ものは読み聞かせにもほど良い長さ。でも、これは前にも読んだような気がします。ヘチマの話とか、天使のラッパの話とか、なんとなく覚えがある。なぜ忘れたんだろ。2014/12/15