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内容説明
美奈代の家には、壁にじっとしたままの“ふじみ”という赤トンボがいる。“ふじみ”は、うっかりとオーブンで焼いてしまった童話から出てきたのだ。美奈代・菊菜・良恵は、この童話の作者、由美をさがした。由美の心が明るく健康的でないと、“ふじみ”は、いきいきした赤トンボになれないのだ。そこで、アメリカにいる由美と、3人の少女たちの文通がはじまった……。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
レモン
45
児童文学作家さんの五感は子どもの頃で止まっているんだろうか。読んでいると小学生の頃の世界の見え方が想起され、タイムトラベルをした感覚に陥る。物語は間違って童話集をオーブンで焼いてしまい、そこから1匹の赤トンボ“ふじみ”が飛び出した所から始まる。童話をオーブンで焼くという発想!そして死なない赤トンボが浮き彫りにする少女の生について。正直クレヨン王国シリーズの詩はむず痒くなってあまり好みではないのだが、本書の詩は琴線に触れた。心が澄み渡る1冊。2022/10/10
まりお
42
「病気というのは、自分の体の中が戦場になることです。」「いま、病気は、自分の内蔵のどこに、どのくらい集まっているのか、それらが、つぎに、どこをせめようとしているのか、それこそ息づまる思いで、見はっていなければならない。他人のことなんか考えてはいられない。まわりを見わたす余裕なんかないわ。」すごくグサリ、と刺さった言葉。美奈代ちゃん一家+菊菜ちゃんのように、由美ちゃんと赤トンボが殻を破って飛び立つまで寄り添う。そんな者になりたい。2017/12/24
かのこ
42
オーブンで焼いてしまった童話から飛び出した赤トンボの“ふじみ”。その名の通り、何も食べないかわりに誰にも食べられない、永久に死なない不思議なトンボ。美奈代・菊菜・良恵は“ふじみ”を生き生きとした赤トンボにするため、“ふじみ”を生んだ作者と文通を始める。昔から印象的な作品。子供心に、何にもない人生が永久に続くってなんだか違うよなあと思ってた。不思議な力を失うのと引き換えに、飛ぶようになり、虫を食べ始める“ふじみ”。擬似子育てのような感覚が面白い。“ふじみ”の旅立ちのシーンは今読んでも名場面だなあと思う。2017/07/06
昼夜
37
14冊目。生きてるって実感は自然を忘れてしまうと途端に感じられなくなってしまうんだと思う。2012/02/08
たぬ
15
☆3.5 赤トンボのために親友と姉だけでなく母親も一緒になって奮闘するのがいいなと思った。海の向こうにいる心臓が悪い由美ちゃんとこの赤トンボが連動していると判明したら、そりゃ赤トンボの旅立ち=由美ちゃんにまさか!?って焦るよね。「自分が長生きするより自分の代わりに子孫が生きていくという形のほうが嬉しいのが自然」には唸ってしまうな。これが書かれた昭和末期はそれが当然だったんだろうけど今は必ずしもそうじゃない。(コメントに続く)2024/12/07
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