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内容説明
わるいくせをなおしたシルバー王妃は、いまでは申し分のない王妃。飲む人の口からわがままを吸いとる、野菜の絵のついたカップを使って、“完全”な王妃を保っていました。でもそれは、とてもつまらなくてつかれる生活でした。ある日、一年牢というおそろしいブラックホールに落ちた王妃は、カップからぬけだした野菜たちと、12か月の旅へ……。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
かのこ
50
12の悪いくせを直したシルバー王妃は、人気者になるかと思いきや、生き生きとした“らしさ”を失ってしまった…。王妃と、わがまま封じのティーカップに描かれた12の野菜たちの“もう一つの12か月の旅”。某大ヒット映画じゃないけど、“ありのまま”が大きなテーマの作品。コミカルで、一つ一つ作り込まれた12の野菜のキャラクターや、争い合うのが、おにぎりVSハンバーガーだったり、ファンタジーのワクワク感にもあふれていて読んでて楽しい。不謹慎と不快に支配されすぎな現代社会にはこの作品のような視点が必要だとつくづく思う。2017/07/12
レモン
19
欠点が長所にもなり得る、の意味が子どもの頃にはわからず、ニンジッピとレンコポッチくらいしか好きになれなかった。野菜たちはもちろん、干支の動物たちもみんな魅力的。大人になって、多少の欠点には目をつぶれるようになったということだといいが。 「十二か月」には負けるが、こちらも彩りゆたかな四季の旅で、ゆっくり1日1章ずつ味わって読みたくなる。郵便ヒツジがお気に入り。 2021/03/23
はるき
11
懐かしさでいっぱいになりながら読んだ。シルバー王妃が野菜たちと旅をする。今回の旅ではだいぶ大人になったシルバーさんが仲間に振り回される様にニヤニヤ。お互いの相違点を認め合う。長所も短所も受け入れる。それができたら世界は平和になるかも。2015/09/29
アナーキー靴下
9
子供の頃はここ好きだった! みたいな箇所がいくつもあるのに、今読むとほとんどワクワクしない。大人になって、物語をパターン化したり登場人物を記号としてとらえて読むようになってしまっていることに気づかされた。経験少ない子供が無限の想像力で補いながら読むことに、この本の楽しさはあると思う。ちなみに子供のときは欠点が魅力にもなるというメッセージがとても新鮮だった。多様性を受け入れる土壌にもつながる大切なメッセージだと思う。2020/08/09
オザマチ
7
シルバー王妃よりも、周りの登場人物たちの方がよっぽどはた迷惑ではないかな?2023/07/09