内容説明
いまだ出現しないものをすでに見てしまっていなければならないというのが、私が文学に無理強いに負わせている凝視力であるが、ここに収めた文章のなかでそのような架空凝視の機能について充分言い足りているとは思われない。そのような主題が一本の芯となって連なっていない感じがしても、架空凝視の機能の展開は小説の方に譲って、ここではただ幾つかの文章のそこかしこにその文学的志向が隠見しているだけでよしとしなければならない。私のこれまで書いたエッセイ、評論、回想、随想などのすべてをここに集める……。(評論集「あとがき」より)
目次
序詞
文学創造の秘密
Ⅰ
革命の変質
戦争と革命の変質の時代
二つの射殺
共産党と共産主義
権力の国境
沈黙について
二重操作の顔
棄権について
Ⅱ
証人エレンブルグ
レオーノフ『泥棒』
カントとの出会い
メフィストフェレスの能動性
ファウストの実現
『カラマーゾフの兄弟』鑑賞
思索の坩堝
一冊の本『白痴』
私の古典
Z・マウリーナ『ドストエフスキー』・ルネ・カナック『ネチャーエフ』
渋沢龍彦『サド侯爵の生涯』
渋沢龍彦『夢の宇宙誌』
辻邦生『モネ』
Ⅲ
渋谷定輔『野良に叫ぶ』
岡本潤『罰当りは生きている』
大岡昇平『俘虜記』解説
廃墟の頃――椎名麟三・解説
ニヒリズムの双生児
癌とそうめん
高見さんのサーヴィス
原民喜の回想
十九年間の変遷
武田泰淳の苦行
武田泰淳『冒険と計算』
あの頃の島尾敏雄
梅崎春生をいたむ
梅崎春生の挿話
梅崎文学碑と椎名麟三
椎名麟三の心臓病
無言の業
三島由紀夫『私の遍歴時代』
北杜夫『楡家の人びと』
大江健三郎『個人的な体験』
『憂欝なる党派』の時代――高橋和巳『憂欝なる党派』
高橋和巳『憂欝なる党派』
現代の六無斎――小田実
田村隆一の姿勢
宗左近『河童』
大原健士郎『日本の自殺』
森崎和江と第三の性
少年時代の漱石
近況
このごろ
Ⅳ
闇のなかの神仙
緑いろのヴェニュス
パネルの上の黒いランプ
裸体の世紀
乳房について
性的人間
講演嫌い
夜道のちようちん
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