内容説明
いまだ出現しないものをすでに見てしまっていなければならないというのが、私が文学に無理強いに負わせている凝視力であるが、ここに収めた文章のなかでそのような架空凝視の機能について充分言い足りているとは思われない。そのような主題が一本の芯となって連なっていない感じがしても、架空凝視の機能の展開は小説の方に譲って、ここではただ幾つかの文章のそこかしこにその文学的志向が隠見しているだけでよしとしなければならない。私のこれまで書いたエッセイ、評論、回想、随想などのすべてをここに集める……。(評論集「あとがき」より)
目次
序詞
想像力についての断片
『闇のなかの黒い馬』を語る
Ⅰ
存在と想像力
想像力の操作
思索的想像力について
存在と革命
記録型の芸術と渇望型の芸術
存在の文学
絵画と小説の婚姻
「難解」と私
Ⅱ
高橋和巳君をいたむ
破局への参加
小さな生の焔
穴のあいた心臓
『悲の器』の頃
妄想、アナキズム、夜桜
断片的な回想
高橋和巳をしのんで
「序曲」の頃
日沼倫太郎君を悼む
瀬田栄之助君を悼む
森谷均への弔辞
Ⅲ
見えすぎる洞察者
廃墟からの出発
野間宏『青年の環』
『夢十夜』について
ドストエフスキイと私達
三つの映画『白痴』
生かされた「重い味」
アフォリズムの由来
Ⅳ
「夜の会」の頃の渡辺さん
招かれざる酒客
国士竹内好
匂いと色と響き
不思議な哲学者
青年辻邦生
現代の行者、小田実
古賀剛のこと
「農民闘争」の友人達
永原幸男の想い出
島尾敏雄『硝子障子のシルエット』跋
森泉笙子『危険な共存』跋
「文芸」と私
Ⅴ
クービンの絵に寄せて
キェルケゴール『あれか、これか』
宇宙型と神人型
野蛮人型
心電図の波
不眠と深夜放送
大長征
サリヴァン先生
セキセイの告示
茫々二十年
運命的なシリーズ
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