内容説明
いまだ出現しないものをすでに見てしまっていなければならないというのが、私が文学に無理強いに負わせている凝視力であるが、ここに収めた文章のなかでそのような架空凝視の機能について充分言い足りているとは思われない。そのような主題が一本の芯となって連なっていない感じがしても、架空凝視の機能の展開は小説の方に譲って、ここではただ幾つかの文章のそこかしこにその文学的志向が隠見しているだけでよしとしなければならない。私のこれまで書いたエッセイ、評論、回想、随想などのすべてをここに集める……。(評論集「あとがき」より)
目次
Ⅰ
象徴のなかの時計台
暴力考
「魔法の森」の啓示
首のない像
Ⅱ
ルクレツィア・ボルジア
革命の墓碑銘
生物の進化と想像力と
頷きあいの彼方
生かされた「重い味」
Ⅲ
文学は何をなし得るか
苦悩教の始祖
自然と存在
武田泰淳
武田泰淳の方法
武田泰淳『貴族の階段』
梅崎春生『飢えの季節』
Ⅳ
ドストエフスキイ『悪霊』
『悪霊』にとらわれた時代
劇化困難な兄弟たち
アンナ・ゼーガース『トルストイとドストエフスキー』
ドストエフスキイの摂取
Ⅴ
一枚の魔女の図に
宇宙ロボット
顔の印象
平野謙『知識人の文学』
革命的ロマンティシズムの流れ
ドラマの原型
松田政男の現代性
小松郁子『村へ』跋
『虚無への供物』
白内障
還暦祝い
金の鍵
宿り木の上の小鳥
小鳥の記憶作用
犬・小鳥・人間
忘れられた探偵
『死霊』の思い出
『死霊』の背景
校正
雑本
風巻さんの奇芸
-
- 電子書籍
- いたずらな出会い〈マイアミで愛してⅣ〉…
-
- 電子書籍
- TJ Hiroshima - 2020…
-
- 電子書籍
- 黒猫の駅長さん(3) バンブーコミック…
-
- 電子書籍
- マラソン・ライフを楽しもう 練習をあま…