内容説明
いまだ出現しないものをすでに見てしまっていなければならないというのが、私が文学に無理強いに負わせている凝視力であるが、ここに収めた文章のなかでそのような架空凝視の機能について充分言い足りているとは思われない。そのような主題が一本の芯となって連なっていない感じがしても、架空凝視の機能の展開は小説の方に譲って、ここではただ幾つかの文章のそこかしこにその文学的志向が隠見しているだけでよしとしなければならない。私のこれまで書いたエッセイ、評論、回想、随想などのすべてをここに集める……。(評論集「あとがき」より)
目次
Ⅰ
悲劇の肖像画
絶望・頽廃・自殺
現実と透視力
夜の思想
パステルナークの周辺
表現の自由について
政治の周辺
闇のなかの思想
決定的な転換期
Ⅱ
現代的知性の構図
全学連と救援運動
若い文学者に望むこと
予期せざる協力
政治の中の新しい世代
暗い戦慄
不思議な犯人
Ⅲ
文学者の性理解
酒と戦後派
Ⅳ
価値転換への試み
多様さの傾向
私小説との距離
微笑と残虐の謎
堅固な実体感
現実と観念
二つの傾向
可能性の作家について
Ⅴ
映画の無気味さ
冬の扇
『私に殺された男』
『白痴』
『崖』
『ロベレ将軍』
『この目で見たソ連』
映画のなかの日本
Ⅵ
空想のリアリティ
ふくらむ可能性
知られざる未来
核弾頭
階段と自動車
ルーム・クーラー
埋没と発掘
乱読の勧め
小鳥天国
喋るセキセイ
うえ谷とむこう坂
ハイマートロス
野球放送
無記憶型
短波放送
廃墟と機械人形
断崖病について
精神病型
ガウディ
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