内容説明
七月革命後の混迷のパリを舞台に物語は核心部へ。コゼットとの愛を育みつつ反政府秘密結社員として活動を続けるマリユス、彼を慕うエポニーヌ、浮浪児ガヴローシュ……。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ころこ
42
テナルディエは決して良くは描かれない。他方で虐待を受けている彼の子供達は親とは全く違う人格として魅力的に描かれる。作者は意識的に大人と子供を描き分けている。ガヴローシュはネグレクトを受けていたが故に親の影響を受けていない。エポニーヌはマリユスに惹かれることで自我に目覚め、親からの自立を果たす。その象徴的な出来事として隠語を捨てる。隠語の考察には第7篇が充てられている。自らスティグマを外して別の生き方をしようとするエポニーヌと、ジャベールに追いかけられスティグマに苦しめられるヴァルジャンが対照的に描かれる。2023/09/08
みつ
24
登場人物がますます増え、時代背景の七月革命直後のパリの混乱も克明に描かれる。ここに来て物語は群像劇の様相を呈し、第二次世界大戦中占領下で撮影された映画『天井桟敷の人々』(舞台はこの小説の少し前)のエネルギッシュな混乱も思い起こさせる。マリユスとコゼットの恋の行方もさることながら、かつては意地が悪かったテナルディエ家の長女エポニーヌを襲う哀れな運命が、登場場面の少なさにもかかわらず忘れ難い。テナルディエは早くも出所(脱獄?)、若者たちの恋を祝福できないジャン・ヴァルジャンのこれからも気にかかる。最終巻へ。2024/11/14
湿原
13
いままでで最高に面白く、また深く感動した。感想がうまくまとまらず、長くなってしまったのと、おそらくネタバレを含むので、以下のコメントにつらつらと、本書の読感を記したいと思う。2025/06/01
うぃっくす
13
筆者の思想とか解説が多くてけっこう読みにくかったけど隠語の中にパン泥棒 rat(ねずみ)ってあって、え、パンどろぼうってもしかしてここから…と思ったりした。それは置いといてテナルディエ夫婦はすごく下品なのにエポニーヌとガヴローシュは純粋な魂の持ち主って感じで魅力的だった。マリユスとコゼットが愛を確かめあってる横で報われないとわかっていながらマリユスの幸せを願うエポニーヌの献身性が泣ける…こういうの弱いのよね。あと最後のジャンヴァルジャンの激しい怒りとか気になるのにここで終わるんかい。早く続き読もう…2024/03/14
空川 夕
2
コゼットとマリユスがやっと再会できほっとしたが、ジャンバルジャンの不安が心配になる。誰でも幸福と思うことは百日に一回位と書かれている。命懸けの生活で頑張っているエポニーヌ、ガヴローシュのことも応援したい。ジャンバルジャンがコゼットの吸い取り紙を読んでしまう。良かったのかよくなかったのか?ほんの少しのすれ違いが吉となるか凶となるか目が離せない。2025/02/14
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