内容説明
1832年、共和派市民が政府軍と死闘に。バリケードにはマリユスら主要登場人物たちが。感動のフィナーレは地下道を抜け出た主人公の天上的な死。全5巻完結。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ころこ
44
ベンヤミンが言う通り、パリの地下には集団の無意識が眠っているとしたら、ヴァルジャンが、テナルディエの地下道から脱出の手引きと、ジャヴェールの追跡と手助けがあった場面に注目せずには置かない。この場面は3人が揃うからだ。前に3人が揃ったのは、第3部でヴァルジャンがテナルディエにゴルボー屋敷で監禁された場面だった。前回は隣室から覗いているだけで、今回も瀕死の状態のマリユスはただいるだけの存在だ。キリストは誰かという問いが有効だとすれば、訳者の見立てではヴァルジャンだが、ただそこにいるだけの神として、マリユスこそ2023/09/14
みつ
27
全5巻完結。マリユスたちが籠るバリケードの中にジャン・ヴァルジャンが現れ、ジャヴェールと相まみえる。バリケードはついに破られ、多くの青年が死ぬ中、ジャン・ヴァルジャンはマリユスを運び去る。・・というところで、物語は中断、パリの下水道の話が延々続き、この大河小説のもうひとつの主人公は、大都会パリであることに思いが至る。この後ジャヴェールが自らに下した運命からは、悪役であってもやはり悪人ではなかったことがわかり安堵。マリユスとコゼットに告白する最後の場面でミリエル司祭が与えた燭台の描写があり、幕が閉じられる。2024/11/16
80000木
6
しんどかったー。全編通して、ここ読む必要ある?みたいな部分多すぎてしんどかったけど最後は泣けたなあ。最後まで読んでよかったなあ。2020/10/01
dokusyotyu24
5
ついに読了。なんとも言えない読後感。マリウス、薄情だなあ、という思いが拭えない。それはともかく、ユゴーは何を思ってこの長い長い物語、ストーリーの本筋よりも枝葉の描写や社会に対する考察の方が多い物語、地名や人名に溢れた物語を紡いだのだろうか、発表当時の人々はどのように物語を受け取ったのだろうか、と気になった。2021/01/10
空川 夕
4
良心と愛する人を大切に守り続けようと、自分と向き合い超人的な力を出し続けるジャン・ヴァルジャン。読者だけが知るコゼットの生い立ち・マリユス生還の秘密がつながり、コゼット・マリユス!本当によかったね。感動の連続で何度でも読みたい本です。2025/02/22