内容説明
いまだ出現しないものをすでに見てしまっていなければならないというのが、私が文学に無理強いに負わせている凝視力であるが、ここに収めた文章のなかでそのような架空凝視の機能について充分言い足りているとは思われない。そのような主題が一本の芯となって連なっていない感じがしても、架空凝視の機能の展開は小説の方に譲って、ここではただ幾つかの文章のそこかしこにその文学的志向が隠見しているだけでよしとしなければならない。私のこれまで書いたエッセイ、評論、回想、随想などのすべてをここに集める……。(評論集「あとがき」より)
目次
序詞 45の質問
Ⅰ
野間宏を悼む
持続者・野間宏
そも若きおり
ロータス賞の頃
野間宏との徹夜
野間文学の本質追求を
井上光晴の全的フィクション
ひきもどされた生
具体的現実と抽象
文学と酒の記念碑
同時代者・井上光晴
超発想者・井上光晴
映画・全身小説家井上光晴
原一男の映画を観る
追悼谷川雁
Ⅱ
新しいヴィジョン――『死霊』を書き続ける意味
人類は最大の好機を迎えている
ロシアの残酷と飛躍
無限と妄想
変革の時代に
三つのモノローグ
不可能性の作家/文学的論理力について/鳥の記憶
コメント「日本の政治」について
「戦後五十年」の文学
Ⅲ
世界文学について
事実と記録の時代――開高健について
鬱屈者の優雅性――大庭みな子について
澁澤龍彦讃
『高丘親王航海記』上演に寄せて
文学の本道――松山俊太郎との対話
秋山駿『地下室の手記』跋
二十一世紀作家
鮎川信夫の貴重性
最後の一局――追悼北村太郎
藤一也のCredo
Ⅳ
先斃者サルトル――鎮魂の言葉
ポオをめぐって
「ラムボオ素描」への後註
旧著再読――『イリュミナシオン』
人類史的、世界文学史的短篇――短篇小説ベスト3
生と死を超えて――モツアルトについて
通俗も高級も――チャイコフスキーについて
Ⅴ
古い回想
国際的批評としての書評
自由追求の三十年
私の東京論
神田川
時は武蔵野の上をも
通り魔とゴミ宇宙
宇宙人の酒
署名本
立花隆のこと
土湯の一夜――佐藤民宝の想い出
遅すぎる礼
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