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内容説明
「そなたの兄は間違えた――そなたと家のために」盗人の疑惑をかけられ検非違使に連れて行かれた道真を解放したのは、藤原基経だった。真意を知るため、基経の元を訪れた道真は……!? 歴史が動き出す、第12巻。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
星落秋風五丈原
51
前巻から続くエピソードでは、暴行と盗みを疑われた道真が自らの潔白を示すために彼を疑う男とたった一日で捜査する。優秀な道真はあっという間に犯人を探し当てるが、実は参議の藤原基経から放免の指示が出ていたと知って会いに行く。ミステリかと思っていたら最後に政治の話がやってくる。基経は、あまり個人的感情を出さない。その対極にあるのが異母兄国経・遠経で、基経や良房に表面上は従って自分の役割をわきまえているが、時折揺れるという中間ポジションにいるのが藤原高子。考えていること駄々洩れの国経・遠経の方が異常。2020/02/07
アルピニア
50
強盗殺人犯の濡れ衣は自力で解決!と思ったが実は・・嫌な借りができてしまった感じだ。桃源郷の話は当時の徴税の理不尽さが描かれている。業平は言う。「村人には国司は選べぬ」「その法を変えられるのは誰だ?」「お前は違うであろう。『それ』に手の届く所にいる」。道真の今後に影響を与えそうだ。村の嫗に(あんたは)お偉いんかね?と聞かれ、道真は・・その答えに、道真の中で何かが変わりつつあると感じた。そして新たに左大臣源信との縁が生まれる。避けようとしても権力抗争にまきこまれてゆく道真。これが運命というものだろうか。2020/02/15
はつばあば
43
否が応でも政治の世界の住人に振り回されだした道真。権力の味を占めだしたか。都から出て外の世界に触れる道真、ここでも甘い汁を吸う国司の存在を知り、尚且つ隠り世の世界は民の苦肉の策と。民を統べし者、如何にあるべきか・・。人との出会いが道真を変えていく・・。それよりももっと気になる基経と忠臣の関係。いつこの答えが出る?2021/03/22
kagetrasama-aoi(葵・橘)
37
「応天の門」第十ニ巻。菅三さまは、否応なしにに政治に巻き込まれて行くんですねぇ…と染々感じた今巻。基経は兄達を差し置いて、藤原氏の中心になって行くわけですが、それはやっぱり才能もあり努力もしたってことですよね。そして “隠り世” のエピソード、当時これに似た出来事あったんですよね、きっと。税収のことはスパッと割り切れないですけど(現代でもそうですよね!)、人々が餓えることのない世界を菅三さまに目指して欲しいと思いながら読みました。2023/06/24
Nyah
36
ようやく嫌疑を晴らすところまで辿り着いた道真を検非違使から解放したのは、藤原基経だった。真意を探るため、基経の元を訪れた道真は、自分の配下になるよう誘われるが、家が学問をするもので勅命で帝には仕えるが‥と断る。道真の才を狙う者が次々と現れる。2024/01/03