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内容説明
陰陽寮で起きた事件をきっかけに思い悩む道真。業平はそんな道真を連れ、長岡に鷹狩りへと出かけるが、道すがら奇跡を起こす比丘尼に遭遇し――。累計60万部突破の平安クライムサスペンス、成長の第9巻!
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
星落秋風五丈原
66
事あるごとに様々な人から言葉を投げかけられていた道真は、同じ数だけ政には関わりたくないと言い続けてきた。しかし今の世の中を嘆く―自分のしていること―は、単なる批判に過ぎないこともわかっている。そんな彼の前に現れたのは持って生まれた才を生かして何が悪いと言い放つ潔い人物。行き当たったのが帯にもある「才あるものに力がなければ何もできない」という現実。学者肌の道真が、後に天皇の外戚となり権力の中枢に食い込んだ理由になる。道真が最も忌み嫌うタイプでありながら、道真がない「力」を持っている人物と道真が会う。 2018/07/09
☆よいこ
56
応天の門⑨美しき妓女と比丘尼、傾国の美少年の話▽[菅原道真、遊行する比丘尼と会う事]見捨てられた都、長岡京。奇術をつかう美人はなんて魅力的[禍を呼ぶ男の童の事]あまりに美しく稚児と望まれた少年の周りで不幸がおこる。業平の女癖いじりが面白い[源融、別邸にて宴を催す事]石取りの仕組み▽解説が面白い。稚児文化はやはり鉄板2024/07/30
maekoo
49
若い尼や遊女(白拍子等)はこの様な経歴や生臭さがあったであろう描写でどちらも色香爆発(同一人物)! 光源氏のモデルの一人で庭造りの名手源融はさもありなんな描写で◎ 更にこの時代の男色や嗜好のあり方も垣間見え面白い巻。 そして終盤いよいよ道真と基経のご対面で政治の泥沼へ!? ちなみに、ここまで読んでいてふと気が付いたのだが、もしかするとこの作品、小松左京の「応天炎上」がベース!? あと、若者受け狙いで歴史史料受け売り解説な本郷和人氏の入門者用コラムに、なんと同じ表現タイプの繁田信一氏の著作紹介が有り苦笑。2023/04/01
アルピニア
47
この巻は久しぶりに業平さまと道真のバディが大活躍。美女を助け、美少年にまつわる事件を解決する。お稚児さんの文化(男色)も描かれている。持って生まれた武器を磨き抜いて皆の幸せのために使うと言い切る妖艶な舞姫「大師」が潔くて存在感がある。道真はもがく。「才あるものに力がなければ何もできない」「知は知らぬものから奪うためにふるうものではない」そしてついに因縁の男と出会ってしまう。2018/07/10
Nyah
43
陰陽寮で起きた事件をきっかけに思い悩む道真。業平はそんな道真を連れ、長岡に鷹狩りへと出かけるが、道すがら奇跡を起こす比丘尼に遭遇する。都では美しい舞の大師を巡って貴族が争う。/藤原常行の懇意の女の弟が美しく、稚児に誘う者達が‥。/貴族は色好み2024/01/02