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内容説明
茶の湯と物欲に魂を奪われた戦国武将・古田織部(ふるた・おりべ)。天才・信長(のぶなが)から壮大な世界性を、茶聖・千利休(せんのりきゅう)から深遠な精神性を学び、「へうげもの」への道をひた走る。朝鮮戦線泥沼化、余命少なし太閤秀吉(ひでよし)。唯一の友として、この世で最後の花束を。「乙」から「へうげ」へ、織部ゴーズオン。生か死か、武か数奇か、それがいっそう問題だ!!
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
momogaga
37
レンタル。主人公の古田織部、清濁併せ呑む人物が新しい文化を創っていくんだな。織部を鑑賞するときに画が浮かびそうです。 2019/10/28
ぺぱごじら
27
権力者の最期が間近に迫るとき『後』を考えて地盤固めを行うのは必定のこと。その際『恩を重ねおくこと』と『今の権力で押さえ付けること』のどちらが有効か。それが秀吉亡き後の徳川と石田の違いであったことは歴史の事実。そんなことはどこ吹く風、我らが織部主殿は暢気に数奇三昧。しかしそれがあの政争のなか、織部がただ純粋に秀吉のために末期の一座建立を仕立てることが出来た理由。政にも武にも関わらず、ただ『美のために』生きるのは『愚者の振舞い』だけど、だからこそ出来ることがある、というお話。2011/03/26
33 kouch
26
秀吉最後の瓜畑遊びが豪華。劇団員はそうそうたる面子だがこんなことに参加すること自体が乙。 それにしてもこの話に登場する女性はいつも強い。2022/12/30
厩戸皇子そっくりおじさん・寺
22
高山右近を三成から救う織部。伊達政宗と佐竹義宣のプロレス。出雲の阿国と那古屋山三郎の別れ。英子に織部の子が。慶長の役開始。秀吉の体調の悪化。老父に殉死を勧められる織部。そしていよいよ一代の風雲児・豊臣秀吉の最期。この最期は泣ける。さよなら秀吉。2013/11/01
ぐうぐう
20
信長、利休に続き、秀吉にも死が訪れようとしている。死相漂う秀吉を背負い、織部は友として、へうげな宴を用意する。ギャグと涙、その緩急の手際が素晴らしすぎる。「お前は生きよ 生き続けて俺の『楽』を世に伝えい」。友を見送ったのち、楢柴を見つめ、何を想う、織部。2011/03/29