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内容説明
茶の湯と物欲に魂を奪われた戦国武将・古田織部(ふるた・おりべ)。天才・信長(のぶなが)から壮大な世界性を、茶聖・千利休(せんのりきゅう)から深遠な精神性を学び、「へうげもの」への道をひた走る。家康(いえやす)の目指す「泰平」とは徳川(とくがわ)家の安泰に過ぎぬ。世紀の誤審・方広寺鐘銘事件に天を仰ぐ織部。大坂冬の陣突入にも最終兵器であくなき抵抗。武か数奇か、生か死か、それが問題にて候。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
眠る山猫屋
38
古田織部、とうとう家康に喧嘩を売った!というか、言っちゃた!大御所の望んでいる泰平は徳川の泰平なのだと。差し向けられた刺客は柳生。それを撃退した古田織部の闘い方は・・・。久々に漫画を読んでいて吹いちゃいましたよ。あの凛々しい表情・・・。そりゃ柳生だって意味が解らないだろうなぁ。古田織部のへうげものとしての生き様、しかと見させていただいた気持ちです。しかし、ますます荊の道筋だな・・・。2016/08/06
ぐうぐう
25
「それがしはすっかり勘違いをしておりましたっ 大御所様の仰ってた『泰平』とは…………天下ではなく…………徳川家の泰平が事だったのですな」。織部の本質を突いたイヤミは、しかし家康には届かない。「この世にひょうげものなぞ要らぬ」。大坂冬の陣突入。刀を手にしてなお、織部はそれを振り下ろすのではなく、一本足打法で戯けてみせる。あくまでひょうげで立ち向かうのだ。2016/01/03
T2y@
20
大阪冬の陣。 真田丸を、大阪城を飾る花入に例える辺り、やはり粋だねえ。2016/05/31
ふくみみ
18
当初より武力の押し付けより守りたい想いを描いてきた本作だが、いよいよ古織様も家康への皮肉を直接伝えてしまう抜き差しならない状態に。よく言った!と思ったが。対柳生戦は余裕のある戦いが出来てなにより。大文字焼きはチーム古織の活躍が見れて良かった。こんなに仲間も増えたのだよなぁ。真田様はやはり格好いい。玉すべりのエピソードも出てきてしまってハラハラするがそこもスペクトルマンて。有楽斉殿も苦り切った表情が続くがなかなか楽隠居できませんな。2016/01/11
ぺぱごじら
18
『盤石な幕藩体制の確立』は誰にとっても悪い話ではないのだけれど、考え方や生きざまにいちいち注文がつくやり方は息が詰まる。なんか上手い具合に今の世相と物語の時代がマッチングしているように感じた。時代の気風を変えるために、なにかしらの『徹底』は必要だとわかっていても、枠に入れない人たちの『行き場』を潰す『徹底』は間違っていると感じる。『正義』が気持ちいいのは、それを執行する人だけ(笑)。2016-22016/01/01