内容説明
1980年代初頭、農産物・鉱産物以外に輸出品目を持たないタイ経済は出口の見えない閉塞感に覆われていた。
苦境から脱却し、タイの工業化・近代化に道を拓いたのが、無謀ともいわれた「東部臨海開発計画」だった。
実際、その道のりは遠く険しかった。
世界銀行の反対、クーデター、反日運動、様々な政治的圧力…。
それらを乗り越え、“東洋のデトロイト”と称される大規模臨海工業地帯を創出させたのは、名もなきテクノクラートたちの叡智と決断であった。
これまで知られてこなかった国家的プロジェクトの形成を、タイの開発に精通する著者が明らかにする。



