内容説明
近年、アセアン諸国における高等教育、
特に工学分野の進歩は目覚ましいものがある。
カンボジア工科大学(ITC)が良い例で、
カンボジアの研究拠点としての地歩を確立し、
教員・卒業生は続々と中央政府の要職に就いている。
その原動力となったのがSEED-Net、
アセアン工学系高等教育ネットワークである。
JICAは2001年、アセアン10カ国の工学系トップ大学26校を対象に、
大学間でネットワークを構築しつつ、
教育・研究能力向上を支援する技術協力プロジェクトを開始。
これまでの22年間に、修士・博士号を取得した教員延べ1,400名以上、
日本の大学・産業界との共同研究200件超の成功を収めた。
その活動は今や、インド・中東・アフリカに及ぶ。
しかし、ここまでの道のりは決して平たんではなかった。
プロジェクトの立ち上げから参加した2人のJICA職員が、
相互理解と信頼をベースにしたネットワーク構築の全プロセスを振り返る。