内容説明
アフリカ中央部に位置するコンゴ民主共和国。
1960年に独立後、国際的援助合戦のなか、鉱物資源を大西洋に臨む港まで運ぶ、鉄道の整備を日本が建設することになった。
オイルショックによる世界的インフレのため鉄道工事は見合わせられたが本四連絡橋で開発が進む日本の鉄道吊橋の建設技術で、1983年にコンゴ川を渡河するマタディ橋が完成。
しかし、暴動の発生による政情不安から日本の援助は途絶えた。
吊橋建設と維持管理の技術を日本人エンジニアから学んだコンゴ人エンジニアたちは、日本人エンジニアの熱い思いを引き継いで、内線や政情不安を乗り越え、40年近い年月、「橋盛」としてマタディ橋を大切に守り続けてきた。
今もピカピカの、マタディ橋の物語をお聞かせしよう。
感想・レビュー
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kentake
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1983年に日本の円借款で当時のザイールに建設されたマタディ橋について、計画から工事完成、そして内戦後に行われた維持管理まで、担当した日本人技術者たちがプロジェクトに対する熱い想いを持ってまとめ上げた本。 道路鉄道併用橋として計画されたものの、途中で鉄道計画が頓挫し道路橋として復活し完成するまでを描いた前半から、コンゴ内戦により日本からの技術支援が途絶える中、コンゴ人スタッフが懸命に守り、内戦後の維持管理能力向上プロジェクトの実現までを描いた後半まで、波瀾万丈の歴史は読み応えがある。2021/04/27