内容説明
守るべきは、母との情か、武士の名か。
ある旗本家で、酒に酔い暴れた主人が殺され、その妻と奉公人が逐電した――。
佐々木磐音は、南町奉行所定廻り同心の木下一郎太から相談を受け、弱冠十三歳の嫡男・小太郎の仇討ちに助勢すべく、逃亡先の上総へ。
母を見逃して助けるか、非情の処断で家を守るか。
心揺れる小太郎に、磐音がかけた言葉とは……。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
KAZOO
94
今回は、ある旗本が酒乱の末殺されて妻と家来が出奔したということでその息子が仇討に向かうのを主人公が助けます。お家の存続を願うためにこの仇討ちを果たさねばならぬ息子の進駐がうまく描かれています。後半は、以前将軍を狙った暗殺者のひとりが主人公とあい対峙してしりぞけられるさまで次の暗殺者が控えている感じです。2020/05/21
とし
80
決定版・居眠り磐音「照葉ノ露」28巻。今回も一気読、武家の妻おこんさん、下町のおこんさん二面性、武士を捨てた武左衛門それを、なんだかんだと言いながら武左衛門を支える柳次郎さん、定廻り同心の木下さんと菊野さんの関係、覇王の剣を教える磐音さんと話題が盛りだくさんでした。2020/10/14
yamatoshiuruhashi
32
旗本の小さな跡取りによる仇討ち。利次郎の旅立ち。人は皆成長する時期がある。2020/04/16
うららん
12
竹村武左衛門と重富利次郎転機の巻。遂に西の丸へ剣術指導として上がった磐音は家基と表立って対面。2021/08/29
紅葉
10
13歳で仇討ち…手違いで主殺し犯となった師と、その彼と一緒に逃亡した母を殺さなくては、武士として生きていけないなんて…同じ歳の息子のいる身としてはやりきれなかったですね。その場に立ち会った磐音。こういう事まで頼まれてしまうけれど、13歳の小太郎にとっては磐音の人柄が心強かったでしょう。そしてとうとうダメダメ竹村さん、奉公先が決まり、なんとか落ち着きそうです。これで磐音の3人で駆け回った日々は終わりを迎えた感じですね。寂しい。。また家基さまの周辺の雲行きが怪しくなってきました。刺客も手強くなってきましたね。2020/10/10