内容説明
白鶴の名が吉原にとどろく時、磐音の心中は!?
吉原で新たな太夫を選ぶ催しが行われることに。
過酷な運命の果てに花魁・白鶴となったかつての許婚・奈緒の名が「松の位」の有力な候補として噂され、磐音の心を騒がせる。
一方、鰻屋「宮戸川」での奉公がはじまったばかりの幸吉は釣り銭騙りにひっかかり、磐音に泣きついてくる。
この騒動に、奉公に出たばかりの娘が巻き込まれて……。
磐音が悪を追う!
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ナイスネイチャ
101
どんどん奈緒が遠い存在に。大体これからの筋書きは読めてくるんですが、王道剣客物語として続編楽しみ。2020/04/14
KAZOO
99
やっと主人公たちの努力が実って、旧藩の海産物が江戸へ運ばれて評価を受けます。ところが同じ藩のなかにそれを独占して利益を得ようとする動きが出てきます。お決まりの結末ですが主人公はやはり強く邪魔を取り除いていきます。また日銭を稼ぐために博徒たちの用心棒として秩父へ出かけてそこでも事件が起こります(言い訳のようなことを博徒に言わせています)。2019/06/24
とし
88
決定版 居眠り磐音「遠霞ノ峠」9巻。何はともあれ関前藩の初荷が江戸に運ばれ良かった。安永の太夫選びに僅差で二位に、幸吉が宮戸川で奉公を、豊後関前藩でも豊後関前藩江戸家老利高による新たな火種が、やくざの用心棒にもなり、磐音は忙しいですね。 2020/07/30
ともくん
33
苦界に陥って一年で、吉原一の花魁になった、磐音の許嫁の奈緒。 江戸で、注目を集める安永の太夫を決める入れ札。 吉原遊女三千人の頂が決まる。 そして、豊後関前藩の藩物産所の初回の大成功。 だが、磐音の周りには不穏な空気が流れ始める。2023/09/04
yamatoshiuruhashi
32
6月配本の2。時代小説の江戸物と遊郭、吉原とは切り離せないものなのか。高田郁の「みをつくし料理帖」シリーズも主人公のごく身近な人が花魁となったが、このシリーズもそこは同じ、剣客が主人公であるだけに全体の趣は全く違うが。今回も磐音は博徒が女衒の真似事をする用心棒を務める破天荒な役割を果たす。待ちに待った国許からの千石船は無事到着。藩財政の建て直しも漸く緒につくことができるようだ。しかし新たな派閥争いの芽が生じたようだ。巻末の江戸の解説も面白い。これだけとっても毎月の楽しみになりそうである。2019/06/13