内容説明
《宰領屋》矢藤太の許に大店両替商《近江屋》から、唐木市兵衛を名指しで仕事の周旋依頼があった。
蟄居閉門中の武州川越藩士に手紙を届けてほしいという。二人は川越藩に国替えの噂があり、資金調達のため圧政下にあると知る。
異論を唱えた藩士も改易は必定、その時は江戸に迎えたいというのだ。
市兵衛は矢藤太と共に川越へ赴くが、到着するや胡乱な輩に囲まれ……。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
やま
112
風の市兵衛27作目「風の市兵衛 弐」7作目 2020.08発行。字の大きさは…中。 唐木市兵衛の受けた仕事は、川越松平家の内紛に絡んで勘定組頭・村山永正を助けて江戸の両替商・近江屋へお連れする事であった。 江戸では、大阪から帰って来た良一郎と小春が、夫婦になるという。 小春は、育ててくれた養父母の左十郎夫婦の息子と、祝言を挙げる期待に背き…。 良一郎は、実母・お藤と養父・文八郎の期待に背き…、実父の同心・渋井の息子となり奉行所に勤めると言い出します。展開が急なため、え、えぇ…先が読めない…。2020/09/30
とし
76
風の市兵衛 弐「残照の剣」27巻。市兵衛さん、今回は宰領屋の矢藤太さんと同行で武州川越藩へ、藩の国替えに絡む事件に巻き込まれる、錬三郎と村山永正の武士生き様が清かったですね。村山永正の娘早菜の今後は、良一郎と小春の進展も気になりますね。 2020/11/24
真理そら
63
今回の刺客は若干魅力に欠けたけれど物語はしっとりと哀しみに満ちたものだった。このシリーズの女の人は市兵衛さんの初恋の人のように少し悲しいけれど決定的な不幸に陥らないのが好きだ。渋井に跡取りができるかも?「やれやれ」とため息交じりの渋井さん。2020/08/20
はにこ
34
川越藩で窮地に置かれている親娘の手助けをしに行く市兵衛さん。今回の相方は矢藤太。矢藤太もなかなかの強さだけど、やっぱり弥蛇ノ介が恋しい。川越藩の政治問題に巻き込まれた武士とその家族。自分が正しいと思うことをやり通す難しさを知った。上意討ちの抜け道があることを初めて知った。市兵衛が不在だった江戸では、鬼渋の息子、良一郎に動きが。将来がそろそろ決まりそうね。2021/10/16
み
26
市兵衛さん、変わらずにカッケー♪なかなか算術のお仕事が読めませんね。良一郎は、よい父を2人も持ってるねぇ、お藤さんの男を見る目があるってことか?2020/09/12