内容説明
謎の祈祷師盗賊団は旗本・桜井長太夫の芸者・歌への執着を巧みに利用して、江戸音羽の花街を取り締まらせると、同時に付け火で町方を混乱させ、金座を襲撃、大強奪を果たした。
その夜、混乱のなか歌が失踪。市兵衛は捜索に乗り出すが、面目を失った奉行所も悪党一味の捕縛に躍起になった。
やがて、市兵衛に迫る托鉢僧が実は剣術の兄弟子・真達で、その目的が市兵衛誅殺と判明するが……。
卓抜の構想で放つ、大人気「風の市兵衛」シリーズ空前の大作(上・下2巻)!
これまで語られなかった市兵衛の瞠目の過去も明らかに!
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
紫 綺
66
シリーズ第7弾。祈禱師盗賊団との対決、お歌の失踪、托鉢僧・真達との果し合いと少々詰込み過ぎなのでは?と思いながらも先を急いて読んでしまう痛快時代小説!2024/02/20
はにこ
43
大清楼のガサ入れと火事と押し込み事件が見事にクロス。鬼渋や市兵衛の活躍で失敗に終わるものの、なかなか凄い計画だった。歌がどこに居るのか最後までハラハラしたけど、まさかのところに居て、なるほどだから必要な登場人物だったのかと納得。托鉢はあんまり関係なかったけど、市兵衛はいつも命が危ないねぇ。2020/08/26
万葉語り
42
旗本桜井の歌への邪心がうかつにも悪党に利用されて、多くの人の命が失われた。歌の居場所がそこだったとは、全く気付かなかった。藤蔵の一途さと賢明さに救われる話だった。2018-2102018/12/02
み
31
う〜ん、最後の真達さんとの部分はどうだろ?市兵衛さんのお寺時代が知れたのは良かったけどね。市兵衛さんモテますねぇ♪宿敵は登場せず(^^;もう登場しない?2015/10/28
めぐ
30
シリーズ6作目の下巻。上巻でも感じたけれど、いくつか並行して起きる物語のバランスに違和感があった。鬼渋が犯人の居場所にたどり着く場面が好きだ。勘が冴えているし、周りが違う方針でいても、自分が感じた小さな引っかかりを突き詰めていく粘り強さ。喜楽亭のおやじさんはかわいそうだったなぁ。別れたひどい女房の連れ子でも、親子の情でつながれていただろうに。がっくりして寝込まないと良いけれど。常連の皆で悪態つきながら、楽しく見守ってあげて欲しい。残忍な押し込み強盗は、やはり極刑だろう、犯した罪が重過ぎるから。2019/08/21