内容説明
「父の仇・柳井宗秀を討つ助っ人を雇いたい」
渡り用人・唐木市兵衛は胸をざわつかせた。請け人宿の主・矢籐太によると、依頼人は女郎に身をやつしているが、武家育ちの上品な女らしい。
しかし、二人の知る宗秀は病に苦しむ人々に寄り添う仁の町医者である。真偽を確かめるため岡場所を訪ねる市兵衛。だが、仇討ちには宗秀の故郷信濃を揺るがした大事件が絡んでいた!
不動のベストセラー「風の市兵衛」シリーズ、快調第14弾!
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
とし
149
風の市兵衛「科野秘帖」14巻。今回は仇討の助っ人、依頼主は元は武家の娘で女郎にみをやつしている女性か物語は始まるが、市兵衛の友町医者柳井宗秀の過去が解き明かされる、絡みで渋井さんの別れた嫁と息子も登場し辛い哀しい話の中に笑いも入り楽しく読めたかな、いつもの市兵衛さんの「風の剣」の弱すぎたのが少し残念。2015/04/06
のびすけ
30
今回の物語は、市兵衛の友であり町医者の柳井宗秀が主役。父の仇として宗秀を討とうとするお理緒。その背景には、かつて宗秀の故郷・下伊那で起きた紙問屋仲間を巡る紛争が絡んでいた。斬られたお理緒を宗秀が治療するという、思わぬ形での二人の邂逅に胸がいっぱいになった。宗秀とお理緒の物語に絡んで、渋井の倅・良一郎も登場。渋井と元女房・お藤の掛け合いも微笑ましかった。今回は市兵衛さんの影が薄かったけど、宗秀先生と鬼渋の新しい一面が見れてとても面白かった。2021/09/15
ひさか
28
2014年12月祥伝社文庫刊。書下ろし。シリーズ14作目。レギュラーメンバーの町医者:柳井の過去に関わるお話。敵討ちや紙問屋の不正を巡る事件なんかに発展し、最後は、風の剣のチャンバラで大団円でした。毎度のことですが、良い流れです。2018/06/28
み
28
今作は、鬼渋さんと先生の過去が公開されました。お二人もイロイロあるね、これでお三方の過去編は終わりかな?良一郎さんはレギュラー入りして欲しいです、どう変わってくか楽しみです。んでも、この時代に一回り年上の女子と結婚するってのはムリじゃないかなぁ?2015/12/03
はにこ
27
宗秀の過去に関わる話。やはり宗秀はただの町医者じゃなかった。藩の中の陰謀に巻き込まれて江戸にやってきた宗秀。藩の屋敷に呼ばれて怪我の治療をしたことで関わりが再びできる。さらに宗秀を仇に思う姉弟も出てきて。鬼渋の息子も登場。バツイチなのは以前見た気がしていたが子供までいたとは。仇打ちだけを生き甲斐に生きてきた理緒は不憫だったが、明るい未来が拓けるとよいね。2020/11/24