内容説明
祝言能の高砂が流れる北相馬藩江戸藩邸で、勘定人・中江作之助が斬殺された。
“算盤侍”の異名を持つ渡り用人・市兵衛は、病死と報された息子・作之助の死に疑念を抱き、出府してきた老侍・中江半十郎と知り合う。
やがて遺品の勘定書を託された市兵衛は、それが藩を壟断する一派の悪行が記された物であることに気づいた。かつて“相馬の鷹”と呼ばれた半十郎とともに、市兵衛は卑劣な罠が待つ藩邸へと向かうが……。
「風の市兵衛」シリーズ、颯爽の第5弾!
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
紫綺
49
シリーズ第5弾。今回は不法な手形乱発に染まる、北相馬藩のお家騒動。倅を消された"相馬の鷹"老侍と孫娘を守るべく、市兵衛の正義の烈風が吹き荒れる。2024/02/11
はにこ
46
江戸での息子の死を不審に思う老侍、半十郎。孫の節と江戸に出てきて真相を探ろうとする。息子から託された勘定書を読み解く為に市兵衛を雇う。という話。大名の勘定システムが私には複雑すぎてあまり理解出来なかった。息子の無念を晴らすにはこの方法しかなかったのか?とも思ったけど、こうでないと市兵衛の本当の腕の見せ所がないから仕方ないか。市兵衛も格好良かったが、鷹と呼ばれた老侍が格好良かった!2020/08/18
万葉語り
44
シリーズ5作目。北相馬藩の江戸屋敷で人知れず殺された勘定方侍の老父が江戸に出てきて真相を探るお手伝いをするのが今回の市兵衛さん。必要なところに予算をつけず、不透明で歯切れの悪い国家経営で国債をやみくもに増やしていくどこかの国への皮肉なんじゃないかと思った。最後の決戦がもはや人ばなれしてきた市兵衛さん。お兄さんも弥陀ノ介も鬼渋もいい味出していた。2018-1812018/09/30
のびすけ
34
安定した面白さ!前作では市兵衛の算盤の見せ場がなかったが、本作では市兵衛の算盤で帳簿に隠された手形取引きの実態や貨幣の両替詐欺を鮮やかに暴く。この時代にこんな複雑な金融の仕組みがあったことに驚く。中江半十郎の孫娘・節が微笑ましい。ドラマではマドンナ的な役どころで山本美月が演じてたけど、原作では幼い童女。節と弥陀ノ介が綾取りで遊ぶシーン、強面の弥陀ノ介が太い指で器用に綾取りをしてる姿が可笑しい。最後、中村家屋敷での大立ち回りは圧巻!作之助の無念を晴らし、半十郎と節が無事に国に帰ることができて良かったー。2020/04/07
み
30
今回は算術も剣もバリバリ^^;こんな殿様ひどすぎるお話しでした。あの宿敵は登場せず、次は?2015/10/27
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