内容説明
秘蔵のスクラップブック『貼雑年譜』を縦横に駆使、リアルタイムの資料を通じて、探偵作家たちとの交友・論争、創作の苦悩などを克明に綴った乱歩自伝の決定版。本書を読まずに、日本のミステリーは語れない。下巻には、昭和13年度から、戦争などの激動期を経て、昭和30年代までを収録。【この電子版は、註釈と「私と乱歩」を割愛しています】
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
KAZOO
37
昭和13年から30年代までのことを様々な資料(写真など多用)を駆使して自分の経験したことなどを詳しく書き綴っておられます。写真の人名索引がついているのも便利です。2015/01/18
風見鶏
3
卒論の参考文献。笠井氏の第三の波は、恐らく乱歩の第三の山を真似たものではないだろうか。笠井氏は乱歩になりたかったのかな。資料としてではなくエッセイとしていつか再読したい。2014/12/18
Gen Kato
2
再読。改めて思ったのは、日記や覚え書きって赤の他人にも面白いものなのだなあということ(いや、乱歩の構成力あってこそ、なのは間違いないんですが)。写真も豊富でファンには嬉しい一冊。2014/01/03
rbyawa
1
j057、戦前探偵小説が代表的な総合誌である『中央公論』の看板作品となり強いバッシングを受けたり、馴染みのある小出版社である春秋社ではなく新潮社から全集を出版しようとして以降戦後に至るまで執拗な検閲にあったり(著名作家を主に調べる仕組み)、戦時中に隣組から出世したり仲間が戦時組織にいたりした事情が探偵小説や作家の衰勢の合間に挟まっていた、殺人描写が駄目ってのもどうも明文禁止ではなさそうだよなぁ…。戦後に推理小説と名前を変えるなどの経緯はちょっと期待していたがなかった模様、あと10年生きてたら語られたかな。2019/05/28
オワリハジメ
1
良いことか分からないけど共感できる部分が多い。江戸川乱歩のことがよくわかって面白い。理論的でありつつ感性の人でもあるんだなあ。2016/09/11