内容説明
左腕に黒蜥蜴の刺青をした美貌の女賊。社交界の花形にして暗黒街の女王。変幻自在の黒衣婦人は、名探偵・明智小五郎に挑戦状をたたきつけた。日本一のダイヤ・エジプトの星をめぐる息詰まる死闘! 三島由紀夫の脚色による映画・演劇で更にその名を天下に知らしめた傑作。【この電子版は、註釈と「私と乱歩」を割愛しています】
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ehirano1
92
表題作について。セクシー悪党vs.明智小五郎は見ごたえ、いやいや読みごたえがありました。明智小五郎と対決する悪党は知能高めというかむしろ高く自身が哲学を有しているので逆転に次ぐ逆転でぐぅるぐるにされますが、これがまた楽しいです、いやきっと醍醐味なんだろうなと思いました。さて、次はどんなタイプの悪党と相対峙するのを読もうかと嬉しい悩みが尽きません。2023/01/27
歩月るな
25
「ズバ抜けた犯罪者には、その相手役として、優れた探偵が必要なのです。そういう探偵がいてこそ、初めて彼のトリックが役立ち、彼は安全であることが出来るのです。」(石榴)と言うわけで、私もなんだか『石榴』推しの心持ちであります。局外者の評論云々を言うが、指紋云々はもちろん主題ではなく殺害方法での「サード的傾向」を扱わないのは、読めばわかる事に拘っても仕方ない的な意味で黙殺しているのでなければ、そうなんだろう。これぞ乱歩味、と思うけれどな。『人間豹』はノーコメント、明智夫人いじめが天性すぎる。『黒蜥蜴』は広津派。2020/08/07
KAZOO
20
黒蜥蜴というといつも戯曲の三島由紀夫と三輪明宏さんを思い出してしまいます。本家本元はこの江戸川乱歩の探偵小説なのでしょう。明智などおなじみの登場人物がでてきます。読んでいて楽しめるということで人間豹や柘榴も同列です。2014/05/30
zakuro
17
「黒蜥蜴」ってなんとなく三島由紀夫?美輪明宏?みたいなイメージを持っていたけれど、そうか原作江戸川乱歩か。当時の舞台化の記事が載っていて、黒蜥蜴=水谷八重子(新派)に大人の事情的なものを感じ、田宮二郎の名に「おお」となり、お嬢さん=大空真弓でしみじみした。黒蜥蜴登場第一声が「…僕…」で、年齢性別素性全て不詳のキャラクターにワクワク。時代なのかちょっと皮肉を言っただけで「毒口」扱いで、現代(私)はいかに口汚い言葉を使っているか考えさせられた。船や地下室のシーンが続き、終始ほの暗いビターな雰囲気。2016/10/26
不見木 叫
13
個人的にアベレージの高い第9巻。『人間豹』のみ未読。もはや特撮ヒーローものの悪役でかなり気色悪かった。文代さんが気の毒過ぎる。2023/03/09
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