内容説明
空気のように頼りない男が、口も八丁、手も八丁のプラクティカル・ジョーカー(いたずら者)と友情を結んだとき、思いがけない犯罪の幕が開く。著者みずから新境地という異色力作を表題に、おなじみ小林少年が電人M、鉄人Qら怪人と闘うお楽しみ編までゴキゲンな一巻。【この電子版は、註釈と「私と乱歩」を割愛しています】
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
KAZOO
38
表題作は、少年向け用の作品を除くと乱歩の最後の作品となるようですね。新保さんが書かれているように「猟奇の果て」に戻っていくような感じがする、と書かれています。確かにプラクティカル・ジョークは日本ではなじみが薄かったようですが、江戸川乱歩はかなり意識していたようです。最後のショートショートの「指」は怪奇小説的で私は印象に残りました。2014/11/03
頭無
9
「仮面の恐怖王」時間前に仏像を盗み出した事を理屈をこねて正当化する二十面相。『飛び道具の様な野蛮な物は持っていない』これからピンチの度に使うくせに。鉱山で小判を発見してお礼に500万円。「電人M」火星人の格好で東京タワーに登るも目撃者は少年3人だけ。コスパ悪過ぎ。お礼の500万円で自動車を買う。名前はアケチ1号。「鉄人Q」MがQになっただけ。お礼の500万円で無線電話機と制服を買う。「ぺてん師と空気男」ジョークの鬼による遠大なジョーク。「指」ショートショート。内容はホラー2023/04/06
ゆきだるま
6
表題作のほか、子ども向けの「仮面の恐怖王」「電人M」「鉄人Q」、おだやかに読めるシリーズ。わるものもゆるくてよい。2022/02/27
Gen Kato
2
再読。表題作と短篇『指』以外はすべて少年もの。『仮面の恐怖王』『電人M』『鉄人Q』。マイベストは表題作と『電人M』です。ことに『電人M』は後期少年ものでは最高作だと思います。シリーズもここまで来ると、あの手この手を仕掛けてくる二十面相一味に対し、小林君の反応にいくらかSっ気が見られます。2014/01/22
Dio
2
所収の作品を全部読んでみた。一冊でページ数が一気に増えるなぁw2013/10/16