内容説明
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近世の身分制社会では、治者は被治者に、富者は貧者に「仁政」や「徳義」を施すことを求められた。庶民は政治に参画できない反面、戦は侍がするものと傍観者でいることができた。だが、四民平等の名のもと、明治新政府はこうした庶民の「客分意識」に容赦なく改変を加えていく。勤勉で忠実な近代日本人は、どのようにして生産されたのか。京町人ですら「お世話になった覚えのない」天皇が、やがて、国民にバンザイの唱和で迎えられるようになるのはなぜか。「亜細亜の盟主日本」というエリート意識は、いかにして醸成されていったか。「復古」と「開化」をキーワードに、幕末から明治時代前半の世相を庶民の目線で読み解く。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
KAZOO
28
幕末と明治維新の状況がかなり民衆の視点からも描かれています。自立と競争の時代や平等と差別の複合といった章は今までにはあまりおもてだって論じられていないような気がしました。2015/02/06
白義
16
文明開化とは、近代化に一直線に進んだ分かりやすく、明るい時代などではない。開化が復古のロジックで推進され、それゆえに反開化と開化が時に奇妙に一致し、錯綜した複雑な絵巻を展開した時代だ。転換期の混乱の中で、かつての生活から離れた民衆もまた、一方的な被害者などではなく、賤民制廃止令に反発し被差別民をも矛先にした一揆を展開することもあるなど、民衆の生活史も克明に描きながら民衆に完全に寄らず、負の側面も容赦なく描く気合の入った内容。文明化の両義性、正反簡単には評価できない歴史の複雑な諸相を実に活き活きと描いている2017/04/22
鐵太郎
7
西欧の文明と文化の定義から始まって、明治日本の学者がどのようにこの概念を日本の世界に落とし込んだのかから始まって、明治維新の激動の中で階層制度がどのように変革したのか、四民平等とはどういう事なのか、新しい国家はどのように育っていったのか、など。面白い。歴史をこう言うふうに見直すと、わかりやすく整合性がでてきますね。この巻では、教科書の歴史のきれいで型にはまったところをうまく外し、わかりやすい時代の流れを説明してくれています。2009/03/02
へたれのけい
6
おやじの上、爺さんの時代なんだよな。ほんの少し前だ。2018/10/26
珈琲好き
5
明治政府はこんな混乱状態でよく転覆しなかったなと不思議になるが、指導者層(元勲というより広範な士族層)の教育水準が高く同質的だったので、内戦や政変をしつつも民衆の教導に成功したのかなと思った。2017/06/11
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