内容説明
SLが乗客ごと消えた! 西村京太郎の絶筆
十津川警部、最後の事件は
壮大にして華麗なトリック!
SLやまぐち号の5号車と乗客32人が
走行中に姿を消した。
戸津川は、乗客のうち、
アメリカ出身の経営者に注目する。
彼の会社が何者かに身代金らしき2億円を
支払ったことが判明し、
事件は解決に向かうかと思われた。
だが、その矢先に、意外な場所で乗客の遺体が見つかる。
捜査を進める先には、
「150年の怨念」ともいえる、
歴史の敗者たちの哀しい叫び声が……。
単行本 2022年8月 文藝春秋刊
文庫版 2025年3月 文春文庫刊
この電子書籍は文春文庫版を底本としています。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Urmnaf
5
西村京太郎氏の絶筆。氏の作品は初期のものを愛読していたが、鉄道ミステリ系は今一つ食指が動かず。ではあったけれども、さすがに絶筆ということで興味がわいた。走行中のSLから32人の乗客とともに客車が一両消えてしまう。事件の背景には明治維新と奇兵隊にまつわる150年の怨念が。という誠に魅力的な冒頭の謎。ではあるんだけれど、読み進むうちにう~ん。結局、力業と、いやいやそうなるん?という展開。連載物なので、1巻ものにまとめられるときに大幅加筆される予定だったが、かなわずにそのまま出版されたと信じたい。2025/03/19