内容説明
青森行特急「ゆうづる5号」の2人用個室寝台で、下段の女が刺殺された。同室の上段で寝ていた新井は、死体を見つけ、怖くなってその場を逃げ出す。しかし、ニュースを見て驚いた。殺された女は「笠井麻美」と名乗った同室の女でなく、新井の知り合いだったのだ。笠井という女に、俺はハメられたのか? 新井のまわりでは殺人が続き、報道陣の非難の矢面に立たされた十津川警部は絶体絶命。しかし、一連の殺人事件の闇の向こうに、まったく別の新たな事件が見えてきた――。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
エヌ氏の部屋でノックの音が・・・
10
「勝手に列車祭」第141弾。この本は2冊あり文庫コレクション269冊目であった。 1990年 8月10日 初版。 今はないのであろう、相席で始まる悲しい女の復讐劇であった。最初から全員殺していけばよかったのだが、主犯格は罠に嵌めただけで警察に逮捕させ、裁判ですべてを明らかにさせようと画策するが、失敗し逆に殺されて主犯格に利用されてしまう。しかし吾が十津川警部は最後まであぶり出し、主犯格を追い詰める。。。2016/12/01
ロバくん
5
小学生のころブルートレインなど国鉄車両が大ブームになった。 当時は駄菓子屋でそのシールをコンプリート目指してよく買い求めていた。 ブルートレインではないが「ゆうづる」という車両もあったと思う。 その車両が1988年に運転中止とあるから、この作品は30年も前のもの。 警察が公衆電話を使っています。 本タイプの時刻表も登場。 当時はそれが当たり前なのですが・・・今は本当に便利になったとつくづく思いました。 本作は時刻表トリックは僅かでしたが、読みやすく楽しめました。2016/05/29