内容説明
はじまりは、大学時代の仲間との久しぶりの親睦、それだけだったのに……同人誌仲間・阿部からの誘いに応じ、矢代と妻の由紀、原田とそのフィアンセは、五年ぶりに水戸を訪れた。阿部は、やはり同人だった木下みどりと結婚していた。東北の温泉めぐりを兼ねた六人の旅が飯坂、天童とすすむにつれ、妻が、そして仲間たちが次々に殺されてゆく。犯人は知っている人間のはずだ。しかし、誰が? なぜ殺人は止まらないのか? 十津川警部は、もつれた過去の因縁の糸を丹念に解きほぐす。
感想・レビュー
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夢追人009
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最後の真相には凄まじいばかりの説得力があって本当に人間の残酷さと歪んだ性の姿に震え慄き容易に忘れ難い恐怖を味わいましたね。この種の連続殺人ものを読んでいつも思うのは命の値段が安過ぎる事と犯人にやられっ放しの警察に対し「もっとしっかりしろよ!人命を守る事も出来ないのか!」と怒りに駆られますが、これはフィクションだから仕方ないですね。最後に真犯人に対して「どうしてまともに結婚して普通に生活できるのだろう?」と疑問が湧きましたが、きっとその答は常人には理解の及ばぬ種類の不可解な捻れた心の成せる技なのでしょうね。2018/02/14
エヌ氏の部屋でノックの音が・・・
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1989年10月10日 初版「勝手に列車祭」第121弾。文庫コレクション234冊目であった。 大学生時代に遺恨のある。旧友が郷里に誘い出して連続殺人を起こしていくという話であったと思ったのだが。。。時刻表トリックもあり、目的地に着くのにわざわざ遠回りしているという王道であった。2016/08/30