内容説明
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日本文化の構造的欠陥を糺す!
本書では、近現代史考察するための序論として「近現代史を歪める人々」と題した1章を冒頭に特別に設け、日本民族が抱える最大の問題の一つである「バカトップ問題」について考察しています。
最高の教育を受け 優秀な成績を収めながら、一番肝心な常識がわかっていないエリートがなぜか組織のトップになってしまい、その組織を滅亡に導く……古くは、大日本帝国を破滅させた陸軍参謀本部、そして戦後は、「常識に欠け、きわめて傲慢」な点で旧陸軍と酷似した朝日新聞社が犯してきた罪について厳しく断罪します。
また、歴史教科書などではあまり詳しく触れられることが少ない「琉球処分」についても解説。沖縄はいかにして大日本帝国に編入されたのか? 朱子学を通して琉球史を概観することができます。
さらに、明治政府が行なった「宗教の整備」について、全国を吹き荒れた「廃仏毀釈」の凄まじさ――あの奈良・興福寺の五重塔さえもスクラップにして売り払われる寸前だった――に焦点を当て、宗教史にも造詣が深い著者ならではの独自の解釈を盛り込んでいます。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ころこ
46
第1章が左派批判なので目立つが、本書収録の3章全部が今までの再説だということに気付く。前巻で前近代が終わったので、燃え尽きたのではないか。体制を立て直すためにインターバルは欲しいが、連載は休めないための資料調べと関係の無い各議論というのが真相だと思う。とはいえ、廃仏毀釈が神道からの直接ではなく、朱子学の独善性排他性から悪影響を受けたという第3章は読む価値がある。孔孟の儒教と朱子学を分けて、仏教、神道との関係を論じている。日本人論、宗教論として整理できるのではないか。2023/01/06
碧緑(あおみどり)旧だいだい
21
第一章が本シリーズ読者にはお馴染みの日本のメディア批判だったのはやや疲れるが、事実だから仕方ない。言論の自由は誰にもあるが、事実を歪めて自分の主張を通そうとする傾向はいただけないからだ。本論は廃仏毀釈の謎について。ケガレを担当するための仏教を残したという観点。しかし明治維新に伴い、寺院やその付属施設の破壊が行われたのは残念だ。真宗の生き残りを模索した僧が欧州に渡り、キリスト教やユダヤ教を研究したという話も興味深い。2024/11/16
ソラ
19
マスコミ批判、朱子学批判は作者の真骨頂。言ってることは的を得ていると思う。これだけで右翼と批判する人こそ偏っているのでは?2020/10/24
Mark X Japan
11
前半は,昔陸軍今朝日新聞。後半の琉球・廃仏毀釈も,前半の考えをベースに儒教・朱子学をおりまぜながらです。本当に,歴史に詳しい人の盲点を押さえています。教科書の事実の羅列という点が,繋がっていき線や面になっていくのは,爽快です。☆:4.52020/10/31
九曜紋
10
紙数の半分近くを占める現代マスコミ批判。「マスコミの良心」として崇められてきた朝日新聞、岩波書店的姿勢、価値観がいかにデタラメであったかを辛辣に描く。ここを理解し、押さえてておかないと、的確な歴史観など持つことはできない、という著者の覚悟を感じる。そして東アジアの国家に通底する「朱子学」の毒。井沢史観の面目躍如といった趣き。2020/10/14