内容説明
一発の銃弾が日本の歴史を変えた!
幕府老中首座・堀田正睦は手を焼いていた。“水戸のご老公”こと水戸藩主・
徳川斉昭が、日米修好通商条約の調印に断固反対だったからである。そこで堀田がとった手段は、朝廷から「勅許」を得て斉昭を納得させようという方法であった。だがこの安直な判断は、やがて幕府を崩壊へと導く……。
堀田の目論見は外れ、孝明天皇が条約調印に強く反対したため幕府は勅許無しでの調印を強行する。強引な幕府に対する批判は、一橋派と南紀派が激しく争う将軍継嗣問題をも巻き込んで過熱化し、「幕府VS水戸藩」の対立は決定的になった。この両者の確執は、孝明天皇が水戸藩に発した「戊午の密勅」に激怒した大老・井伊直による「安政の大獄」という粛正の嵐に発展し、吉田松陰、橋本左内といった多くの有為の人材が失われてしまう。
安政7年(1860)3月3日、江戸・桜田門外。季節外れの大雪のなかを登城する井伊の行列に、18人の襲撃者たちが襲いかかった。井伊は駕籠に乗ったまま銃撃され、斬殺される。
相次ぐ流血の事態に幕府の権威は失墜。時代は「討幕」「尊王攘夷」へと変わってゆくのであった。
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行雲斎の本棚
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
KAZOO
137
これが文庫版最新刊です。あと半年以上は出ないのでしょう。やはり幕末の続きで水戸藩と幕府の確執、安政の大獄と井伊直弼の暗殺、などかなり歴史上の転換点と思われる時点での話がいろいろ出てきます。この時代の話は様々な小説などになっています。とくに吉村さんの小説が好きです。まだまだ幕末が続きそうです。2016/06/26
優希
48
安政の大獄、桜田門外ノ変といった誰しもが知っている事件がハイライト。当時の朝廷や幕府、志士たちがどのような思想で暗躍していたのかが興味深かったです。複雑に絡み合う歴史がわかりやすく書かれている印象を受けました。2025/07/25
ソラ
39
主に日米修好通商条約から安政の大獄、桜田門外の変へとつながる事柄がわかりやすく説明されていた。こういった思想や時代背景があったのだとわかったうえでこれらの事件を見ると理解が深まって面白い。2016/04/24
けやき
32
あとがきで著者がこれほどわかりやすい幕末史の本は他には無いと自慢しているが、その自慢も受け入れられるくらいわかりやすい本だと思いました。2016/04/16
山本真一郎
31
読了。シリーズも早19冊目。幕末編としては2冊目となるだろうか。今作のメインは矢張り何と言っても「桜田門外の変」だろう。司馬遼太郎をして「歴史を動かしたテロ」と言わしめた幕府の大老が白昼堂々暗殺されるという大事件に至るまでの経緯が、日米修好通商条約や安政の大獄と共に詳細に検証されている。井伊直弼の人間像も興味深かった。尊皇と佐幕という縦軸、攘夷と開国という横軸によって形成され、更にそこに様々な人間の思惑が絡む事によって、幕末絵巻は複雑さと面白さを増していると思う。次巻の文庫化を楽しみに待ちたい。2016/04/14
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