内容説明
「神国」ニッポンを呪縛し続けてきた「神風」信仰の謎に迫る!日本史の常識を覆す全日本人必読の新・日本史!
「神国」ニッポンは元寇勝利の“奇蹟”により何を失ったのか?! 鎌倉幕府滅亡の背景を掘り起こしながら、責任の所在が曖昧で、危機管理能力が欠落しているという現代日本の病巣の淵源を明らかにする。カミカゼという天祐による勝利信仰が後世の危機管理意識の脆弱さを生んだ、という著者の指摘は昨今の有事論争をまつまでもなく現代日本を生きる者にとって非常に示唆的な警世の書である。
目次
第1章 鎌倉以前の仏教編-日本における仏教伝来の特殊性
第2章 浄土門の聖者たち編-平安後期に流行した「極楽浄土」信仰
第3章 道元と日蓮編-昭和のファシストが心酔した「日蓮サイクル」の虚と実
第4章 元寇と日本人編-危機管理なき防衛意識を決定づけた“勝利体験”
第5章 後醍醐天皇の野望編-「河内の土豪」楠木正成を結び付けた朱子学思想
第6章 後醍醐天皇の新政編-権力と責任を分散させる伝統的システム
年表
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目次
第1章 鎌倉以前の仏教編―日本における仏教伝来の特殊性
第2章 浄土門の聖者たち編―平安後期に流行した「極楽浄土」信仰
第3章 道元と日蓮編―昭和のファシストが心酔した「日蓮サイクル」の虚と実
第4章 元寇と日本人編―危機管理なき防衛意識を決定づけた“勝利体験”
第5章 後醍醐天皇の野望編―「河内の土豪」楠木正成を結び付けた朱子学思想
第6章 後醍醐天皇の新政編―権力と責任を分散させる伝統的システム
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
KAZOO
120
ここでは鎌倉時代の仏教と元寇、後醍醐天皇についての話が主体となっています。特に道元と日蓮の項では、石原莞爾、北一輝、井上日召らを日蓮宗と結びつけています。元寇の項ではやはり戦時中の「神風」体験と日本人の防衛意識を関連付けています。後醍醐天皇のところでは、「権力と責任を分散させる伝統的システム」ということでの分析で面白い視点だと感じました。2016/03/25
Shoji
62
井沢元彦さんの論考は明快である。元寇の解説において、今の日本人がいかに平和ボケしているかを書いている。戦後の平和は「平和憲法によって守られた」のか、「安保と自衛隊があったから守られた」のかについて書いている。前者は日本においてのみ適用される憲法であり、尖閣や竹島の領有を主張する国では適用されない憲法である。戦争放棄と自衛放棄を取り違いしてはいけないと論説している。この本が書かれたのが1996年、今もって全く解決していない。2018/04/12
優希
39
仏教と元寇の謎についてです。前半は仏教についてわかりやすく語られていました。それぞれの布教者と教えや繋がりが理解しやすいです。また元寇の勝利は島国であったことが要因なのですね。鎌倉武士の奮闘があったのも要因であるわけですから、「神風」だけが原因ではないのですね。興味深い史観でした。2025/03/08
金吾
35
仏教の部分は知らないことが多いので参考になる話が多々あり良かったです。元寇の勝利により軍事への蔑視がますます宿痾になったという説は面白いなあと思いました。2025/04/09
ころこ
35
前半に鎌倉仏教の歴史が論じられています。特に法華経の満洲国成立に対する影響と、正反対にいるようにみえる宮沢賢治が法華経の影響で繋がっている様にみえるというのは、単に鎌倉時代の仏教というだけではない、重要で大きな問いかけでした。シリーズ中、度々エビデンス主義が批判されています。現在の流れに逆行しているようにみえるものが、その問題点を突き、しかもそれはエビデンス主義が強くなる前に前もって行われていたという、真理に到達しているようにみえるところが凄いところです。2020/02/10
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