内容説明
梁山泊軍と金軍の果てしなく続く消耗戦。その最中、戦場に切り込んできた史進は兀朮にとどめを刺すも、深手を負い戦線を離脱。岳飛は南宋・程雲の首を獲り、臨安府に入る。一足先に呼延凌と合流した秦容は、金の沙歇との最終決戦に挑む――。激動の中華の地で、国とは何かを問い、民を救うために崇高な志を掲げ、命を賭した漢たちの生き様を余すところなく描き切った中国歴史巨編、遂に完結!
目次
幻王の空
天機の光
黄獅の風
地飛の夢
天魁の光
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
W-G
269
ついに辿りついた最終巻。ある程度予想していた通り、スケールが壮大すぎて、畳もうにも畳みきれず、風呂敷は拡がったまま、岳飛を焦点としたターニングポイントを通過した、という印象。ここまで来たら、著者も死ぬまで描くしかない。冷静に振り返ってみると、『水滸伝』を読んでいた頃に、私が期待していた梁山泊の未来とは、果たしてコレであったか、やや疑問の残るところではある。しかし、こうなった必然性というか、説得力を感じられるまま、ここまで読ませてくれたことに感謝。もし再読することがあれば、違った視点で多くの発見がありそう。2022/04/13
しんごろ
169
激闘、死闘の戦いの連続。岳飛の剣が切り裂き、秦容の狼牙棍が暴れ、呼延凌の七星鞭が唸りを上げる。その戦いの一方で、胡土児は金国を捨て、史進はあの地へ帰る。南宋と金国の戦いが苛烈を極める中、南方では潘寬、荀浩の南方留守番部隊と許礼の戦いも渋く見応えありだった。戦いは終わり、それぞれが旅立つ。岳飛よ。遥か遠い地で崔如と幸せにすごしておくれ。湖塞の頃の豪傑達も生き残ったのは二人だけかと想いに馳せる。ああ、ついに終わってしまった。梁山泊の漢達の生き様を目に焼きつけた。決して忘れることはないだろう。さらば梁山泊!2022/04/17
眠る山猫屋
62
これだけの大河な物語、簡潔に語るなど至難。史進に始まり史進に終わりを迎えた物語。様々な登場人物たちに寄せる想いも千々に乱れて。敵も味方も生き切った、だから少しづつ読み手の中に何かを遺してくれたのだと思える。史実とは異なる最期を迎えた者、その行く末を消し去っていった者。想いを馳せれば寂しさが消せない。生き残った者たちにも、もう逢えないのか。ああ。2020/09/14
まえぞう
53
終わった!水滸伝19巻。楊令伝15巻。岳飛伝17巻。北方大水滸伝全51巻、読み終えました。北方さんの描く戦闘シーンはほんとうにすごいですよね。いつかまた一から読み直したいような作品ですが、51巻は長いですねぇ。2018/04/14
アルピニア
52
張朔は南宋水軍の甘蔗園上陸を阻止し、討ち果たす。岳飛はついに程雲を倒して秦檜と対面する。岳都と小梁山に迫る許礼の軍を荀浩と藩寛が緻密な作戦で殲滅する。南宋との戦いがしだいに終息に向かう中、金軍と梁山泊軍の果てしない力の削ぎあいが続く。指揮官が見えない戦に訪れた転機。蒼翼が大金星。そして岳飛が義勇軍を引き連れて現れる。戦の後の聚義庁の動きが鮮やか。何年もかけて準備したことがついに成る。模索の末の新たな在り方をしかと見せてもらった。岳飛が蕭珪材を思い出すところが何とも胸に沁みる。志の物語、締めはやはりこの人。2022/05/10
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