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内容説明
名人と謳われた祖父より江戸そばの技術を伝授された矢代 稜。今回は、福島の旧家から発見された江戸・天保期のものとされるそばの実を、奇跡的に現代に復活させた山形のそば関係者の困難の道のりを辿る!! さらには、そばとの相性抜群の食材“鴨”を使ったそば屋ならではの“鴨づくし”メニューの数々も収録!!
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
剛腕伝説
14
1998年福島県の旧家の屋根裏から蕎麦の実の入った俵が発見された。それは天保の大飢饉を生きのびた先祖が子孫に遺したものであった。160年も経た蕎麦の実だったが、関係者の尽力により『天保の蕎麦』として復活した。福島で被災した人達にも蕎麦を届けた。違う形ではあったが、その先祖の思いが、現代に届いた。2022/08/04
kei@名古屋
7
天保の蕎麦と鴨の蕎麦。歴史と人情を感じる一冊でした。通し言葉はやっぱりプロだからありますよね。これを読むたびに蕎麦をたぐりたくなりますよ。2012/07/01
夜梨@灯れ松明の火
6
天保蕎麦の話は、どこかで読んだことがあり、知ってはいたのですが、改めて読んでも感動します。160年前の蕎麦の実が、芽を出すなんて、すごいですね。かも南蛮蕎麦は、私が一番好きなお蕎麦ですが、薀蓄は全く知らずに食べていました(笑) あーお蕎麦が早く食べたい!2012/08/07
またの名
5
たまたま新幹線車内雑誌で知った天保ソバが宮本常一の民俗学ネタと繋がり偶然が重なるも「だが三つ目の偶然は起こってほしくなかった」という3.11の震災までリンクし、江戸の福島から時間と空間を超えた物語が生成。放射能に覆われた被爆地でさえ新たな生命が芽吹いた大地を讃頌する的なエピソードに劣らず、かつて福島を襲った大飢饉から160年を生き延び発芽はもう不可能と思われたソバが作る不思議な結び付き。物語という仕方で物質的因果とは別の関係性を見つけ出す想像力は、その創作者にとっても驚きだがさらに読む側の時空間にも及ぶ。2024/08/09
ぐうぐう
4
天保の大飢饉の非常食として備蓄されていたそばの実を現代に蘇らせる「山形・天保そば」のエピソードが象徴するように、『そばもん』はいつも歴史に立ち返る。それは、蕎麦が昔ながらに日本人に愛されてきたことを示している。歴史にこそ答えがある。2012/11/30