角川ソフィア文庫<br> 空海「三教指帰」 ビギナーズ 日本の思想

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角川ソフィア文庫
空海「三教指帰」 ビギナーズ 日本の思想

  • ISBN:9784044072025

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内容説明

日本に真言密教をもたらした空海が、渡唐前の青年時代に著した名著。放蕩息子に儒者・道士・仏教者がそれぞれ説得を試みるという設定で各宗教の優劣を論じ、仏教こそが最高の道であると導く情熱の書。

目次

序章 この書物を書いた理由
第1章 亀毛先生の主張
第2章 虚亡隠士の主張
第3章 仮名乞児の主張
原文訓み下し
弘法大師空海略伝

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

肉尊

51
24歳の空海が大学を中退し仏道修行に励もうとしたところ、周囲から親不孝と詰られたため執筆。ぐうたら青年、兎角公を更生させるべく亀毛先生(儒)・虚亡隠士(道)・仮名乞児(仏)が要点を解説。結果、仏教の優位性を主張したもの。仏教が全体の真理であり、儒・道は仏教の一部というスタンスだ。少し読めば分かるが、漢籍からの出典のオンパレード!虚空蔵求聞持法(最強暗記力)を兼ね備えている分、理性的考察には劣る気が。それが後に最澄との間で理趣経の貸借を巡る対立に。空海は知情意を包括的かつ具体的に捉えたいのだろう。2021/12/16

KAKAPO

35
『般若心経秘鍵』に続いて手に取った『三教指帰』は、24歳の時に作成した『聾瞽指帰(ろうこしいき)』を、空海が入唐の際に中国に持参し、本場の学者たちの教えを参考にして(帰国後と推定されるが)序文を改め、韻のふみかたなどを修正して3巻に分け、改名して世にだしたものとのことです。『密教の聖地 高野山(サンエイ新書)』などによると、『聾瞽指帰』には、18歳で大学に入るも、1年で退学し修行を始めた理由について、出家を反対する親族に対する宣言書とされていたので、この寓話のような物語は、意外でした。2018/11/04

たかぴ

33
空海の教えの概略はなんとなくわかった。ような気がする。何度も読み返したい。人生において大事なのは親族など接する人を敬うことで豊かになることではなく、仙人のように自分が超人になることでもなく、どこに自分の中心を置くかで宇宙の中心に心持ちを置くことで肉体を身にまとっている自分を客観的にみて大きな流れに逆らわずに正しい道を進むということと今回は解釈しました。全然違っていてもスルーしてください。ありがとうございます。2021/07/27

ももたろう

27
再読。24歳の若き空海の情熱がほとばしる作品。当時、人々の思想の中心にあった道教・儒教・仏教の要点をまとめ、仏教の優位を説き、最後は空海の仏門に対する熱い決意を感じる一文で締めくくられる。そこには単なる宗教家では語る事のできないものがある。真の心の自由と平和を目指し、仏道を極めることに自己の全生涯を注ぎ込むという並々ならぬ決意が表れている。何かを極める人間としての魅力が空海にある。空海入門として最適な作品である。加えて「三教指帰」は我が国最古の戯曲でもあるようだ。2017/12/17

inami

26
◉読書 ★3 『読破できない難解な本がわかる本(難易度★)』(今後も何冊か読んでみようと思っている・・)で紹介されていた一冊。空海(弘法大師)、言わずと知れた「真言宗」の開祖。最澄(天台宗)と並び平安仏教の根幹を作った人物だが、本書は空海24歳(797年)のときの著作、儒教・道教・仏教を代表する3人の人物を登場させ、結局は仏道が最も優れているということを物語を通して説いている。原文が載っており、声に出して読んでみると、リズムもよく読経をしているみたいで何故か心が落ち着く(笑)2020/08/18

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