内容説明
降り注ぐ焼夷弾、焦土の街にあふれるアメリカ兵―14歳の少年たちは、とまどいながらも健気に生きていた。
目次
六歳で死んだ妹
本土初空襲
斎藤分国民学校
県立横浜二中
マタ・ハリのヌード写真
アメリカ人捕虜の隊列
陸軍幼年学校受験
靖国神社下のそば屋
昭和電工へ勤労動員
「マダム篠田」のサロン
占領下の「鹿鳴館」
B29の残骸と米兵の死体
六本の「横浜緋桜」
神風は吹くか
友人・歌田行雄
横浜大空襲
婦女子退避令
占領軍用邸宅の掃除
「米よこせ」デモ
過去は幻影か
リヴァイアサン
「鎌田機関」のことなど
著者等紹介
赤塚行雄[アカツカユキオ]
1930年横浜生まれ。評論家。中部大学名誉教授
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感想・レビュー
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seichan
6
著者の思春期をたどりつつ、戦時下~戦後まもなくの横浜の風景を描いているもの。著者の自宅が神奈川区の青木橋あたりで近辺の描写が多いので、土地勘がある人には面白いかもしれない。このあたりの回想録を読むと、昔の日本は明確な階級差があったんだなぁ、とひしひしと感じることが多い。戦後まもなくの頃の混沌とした世情はそれほど描かれてないが、隣の屋敷にパンパン7,8人が住み着いてGIが昼間っからやってくるのを、当時中学生(今の高校生)の筆者が「また夜に来い」と制止してたとか、結構むちゃくちゃだよね。2016/08/29