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内容説明
「考えるのをやめなさい」。日本滞在中に弓道を学んだドイツ人哲学者ヘリゲルは、自我を捨て心を無にして的を射よと説く師の言葉に、あらゆる道に通底する禅の奥義を感得する。精神集中と身体の鍛練によって、いかに「無心」となり得るのか。世界中で愛読され続ける日本論の名著を新たに訳し下ろし、講演録や鈴木大拙の序文とともに収録。最新研究を踏まえた解説により、日本的な武道と芸道、そして禅の真髄を解き明す決定版!
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
にいたけ
36
課題本。昔、弓道をやっていたので学ぶ気持ちはなんとなくわかった。が、的に当てるのは「それ」だという。無我の境地に入らねば道を極めたことにはならないという。確かに力を入れず弓が離れるのを待つのであれば何かを掴めるのかもしれない。的を見ると当てなければと思ってしまってはまだまだ。そんな雑念にまみれていたことに気づかされた。直訳的な訳で読みにくかったが後半につれて面白くなってきた。的に当てるためにズルして教えるのを辞退されるとこ、外国人「求道」あるあるで面白かった。2025/07/31
著者の生き様を学ぶ庵さん
34
新訳だけあって、読みやすさは折り紙付きです。阿波研造範士の「術なき術」の要諦は次の通り。「兎の角と亀の髪で以て射る、つまり、弓(角)と矢(髪)なくして的の真ん中に中てる人にして初めて、言葉の最も高い意味において達人であり、術なき術の達人、それどころか術なき術そのものであり、したがって達人と非達人が一体となっているのです。この転回点とともに、弓道は動きなき動き、舞うことなき舞いとして、禅へと移っていくのです。」この意味は現世において解るかな~。自信ないな~。2016/11/30
イプシロン
33
これまで、仏教や禅の思想と実践にある、いわゆる「無」については随分思索し瞑想もしてきたが、個人的には「無」は理想論であり、実際に「無」に到達することは不可能だと思っている。現実には「無」に近いものを「無」と呼び、そうした意識状態を目指すのが「道」なのではないかと。その意味では本書は神秘主義に傾きすぎた内容といえるだろう。では、いわゆる「無」とはどんな状態かと考えるなら、ほとんど無意識に行為しているときの意識状態であり、主客未分の状態から主客がまさに分離した瞬間、あるいは主客未分と主客分離の境界にある2023/04/19
テツ
28
弓道を学んだドイツ人による手記。弓と禅。腕を磨き、的を射る。的に当てるために内側へ内側へと沈み込むうちに世界の全ては己自身と共に消滅する。不立文字の言葉通り禅が指し示す無心の境地に至るには他者が書いた無駄な言葉などいくら読んでも仕方がない。自身が座禅をし自身が弓道に打ち込む。そうして自分の全てで会得しようとしなければ真の意味での禅的なマインドを理解することなんて出来るはずはないのだけれど、本を読むことにより日常を生きる理論的な世界からかけ離れた何かがあると知ることだけでも大切だと思うのです。2020/01/25
sheemer
21
ジョブスの愛読書を再読。西欧哲学者が自身の弓道の修業を通じて、弓と禅の解説を試みた本。師は阿波研造。真摯な内容。弓の経験がないのでわからないところはあるが、体験により禅的無・無思弁については、言っていることは納得的に理解できる。「無心の離れ」のあたりが、ストーリーのピーク。実体験の記述として、素晴らしい。第二次大戦後というドイツ人の著者にとって一番困難な時期に書かれた。師から託され、米軍に略奪された弓がとり戻せて良かった。禅について知るにはお薦めの本。但し禅の全ては体感です。不立文字。それ前提でも良書。2023/11/23




