内容説明
博奕打ちの親分・仁吉が殺しの指図をした疑いで、大番屋にしょっぴかれた。ところが仁吉は強請りたかりも一切しない気性のさっぱりした男。腑に落ちない紋蔵は、仁吉を取り調べている北町臨時廻りの弥三郎に探りをいれるが……。見当違いをやりながら、ついには真相を明らかにする“窓際同心”捕物帖第5弾。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
マッピー
12
ああ、シリーズ途中の作品だった…。最初から読まなくては。とりあえず面白かったのは「伝六と鰻切手」。江戸時代もやはり鰻は高級食材だったらしいけど、いや、だからなのか、加盟店ならどこの鰻屋でも使える鰻切手という商品券のようなものをもらった紋蔵に、なぜか付きまとう伝六という要領のいい男。口八丁手八丁の伝六に翻弄されているうちに、家族に鰻を食べさせるために隠し持っていた鰻切手がとんでもないことに…。難事件を解決するだけではなく、してやられる主人公というのもなかなかに面白いものだ。2018/09/27
ジュール
11
紋蔵の持っている運がみんなから一目置かれる。好奇心旺盛でその推理が必ずしも当たっていなくても問題解決。でも「老博奕打ち」の仁吉がかっこいい。「握られた弱み」は末恐ろしい子供。2022/08/17
タツ フカガワ
9
シリーズ5作目。「老博奕打ち」の仁吉がいいなあと読み進んでいたら「握られた弱み」が捕物帖として格別面白かった。これは警察小説ならぬ町奉行所小説だと思ったのは「春間近し」。蜂屋与力が致仕を決意した同僚に翻意を促すある逸話を語る場面に引き込まれました。また捕物帖ではないけれど「烈女お久万」のような人助け話も新鮮でした。それにしても文吉のこれからが気にかかる。2018/11/28
蕭白
7
残念に思う解決もありますが、それも紋蔵さんならではのお話。不動岩のお話はこれからの因縁を思うと、読み応えがありました。2015/10/27
ひかつば@呑ん読会堪能中
7
短編集なのにそれぞれの話に一捻り、二捻りあり、なおかつ余韻を残すオチはお見事! いやぁ堪りませんね~2013/04/26