内容説明
呉服屋の息子が義父殺しの罪で磔を申し渡され、美貌の内儀が冤罪を晴らしてほしいと助けを求めてきた。自分の手には負えないと断った紋蔵だが、生来の好奇心は抑えきれない。臭う、この事件にはからくりが……。二転、三転の末、行き着いた結末とは? 表題作他全8編を収めた“窓際同心”捕物帖、第4弾!
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
kei302
55
押しかけ貰い子:文吉のその後が気になり・・と言っても再々々・・読なのですが・・読み始めたら止まりません。三行半の結末に驚き、紋蔵が文吉を自分の子どもたちと分け隔てなく接している姿に感激し、でも、なんとなーく、文吉の今後が危ぶまれたりと、いろいろ感慨深い。村上豊さん装画の本を読む:其の四2022/08/10
マッピー
13
身代をつぶし妻の実家に養ってもらいながら、飲む打つがやめられない夫と離縁するために東慶寺に駆け込んだ女。男は二人の子どもの世話をしながら、妻の帰りを待つ。離縁するつもりはないと、逆に訴訟を起こす始末。泥仕合になるかと思った時、紋蔵が妻の母に授けた知恵とは。うーん、そうきたか。まるで大岡裁きのようで見事でありました。しみじみする話の合間に、用心棒代わりを行った礼金の10両を受け取ったことが公になるのを恐れてびくびくする紋蔵なども面白くてよい。 2018/11/16
タツ フカガワ
13
シリーズ4作目。藤木紋蔵、四十代の窓際同心というけれど凄いです。前作では将軍家を巻き込むような事件に迫り、今作でも大身旗本や大名家が絡む事件に挑みます。かと思えば「三下半」では町家の離婚問題に手を貸したりもする。ここでは鎌倉東慶寺の駆け込み寺のシステムを興味深く読みました。また「左遷の噂」では、当時の魚河岸の様子を垣間見るようで、このシリーズは細部も面白い。2018/11/15
icchiy
8
物書同心居眠り紋蔵の第四弾。外出自粛のため家での読書が進みます(苦笑) 安定した面白さになってきており人気シリーズの評価うなずけます。決してハッピーエンドにはならない話も多く、ここがまたよろしいかと。2020/04/05
蕭白
8
今回はスッキリとした結末の作品が多かったように思いました。2015/10/24