内容説明
隠売女(売春)の罪で36人が検挙された。彼女らに前代未聞の刑“吉原送り”が敢行されようとしている。しかも、奉行所は彼女らを入札で吉原者に値をつけさせて、その金を御金蔵に納めるという。世間の非難を浴びるであろう刑に反対する紋蔵は一計を案じるが……。表題作「四両二分の女」ほか全8編収録。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
マッピー
14
自分の器量に値段がつけられたら、そしてそれがダントツにお安かったら、ショックだ。紋蔵がしたかったのは、お上が女性を吉原に売って、そのお金を国庫に入れる(御金蔵に納める)ことの是非を、庶民の口を通して突きつけること。けれど庶民は、高値で買われた女の顔や、安値の女の顔を興味本位で見に行っては騒ぎ立てるだけ。紋蔵のしたことは、思いがけずに苦い結果を生んでしまった。今回ついに出世が約束された紋蔵だけど、この先もシリーズとしては物書き同心になっているので、また空手形なのでは?と思いつつ、次を楽しみに待つ。2018/11/27
タツ フカガワ
13
シリーズ6作目。表題作が読み応えある一編。隠売女の摘発で36人の女が摘発される。しかも女たちは入札で吉原妓楼に売られ、その金は御金蔵に納められるという。ピンは百三十五両で、キリは四両二分の女。こうした処置に異を唱える紋蔵だが、事態は思わぬ成り行きへ……。最後の1行まで読ませる練った筋立てに酔いました。そして8話目「名誉回復の恩賞」で紋蔵がよもやの転身。早速7作目に突入です。2018/11/30
ジュール
12
居眠り紋蔵シリーズ再読。 最初の時は紋蔵さんはただの窓際族と思っていたが、結構、首を覚悟にしての行動、気骨がある。ただ表題作はお上のやり方に義憤を感じて瓦版に情報を流したものの、思うような反応はなく、死人もだしてします。本人も思い上がりを反省。それでも最後は常周り同心に取り立てられ、これから活躍?2022/08/30
icchiy
10
とうとう、念願かなって定廻り同心へと出世した紋蔵。たぶん、もとの物書同心へ戻るんじゃないの?って感じです。すこし、マンネリ化してきたような。2020/04/11
蕭白
8
相変わらずスッキリしない解決もありますが、それが妙にリアルな感じがして良かったです。最後の話で紋蔵さんが嬉し涙をこらえる場面は◎でした。2015/10/31
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