内容説明
四か月も音信不通の兄・高耶を気づかい、携帯電話をプレゼントしようとする美弥。そんな時、突然高耶が松本の街に帰ってきた! しかし、高耶は美弥を抱きしめると、幻のように消えてしまうのだった…。一方、霧に覆われた人知れぬ山荘では、直江が重症を負った高耶の介護を続けていた。鬼八の最期の怨念は高耶の体から消えてはおらず、特に左眼は、見るものを殺す真紅の邪眼と化していたのだ!
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
藤月はな(灯れ松明の火)
17
謙信が直江を擁立した理由と人にも動物にも触れない身体になってしまった高耶さんの状況に愕然としました。やっとこれからなのに時間も周囲も待ってはくれず、相手と共にいられない事実に泣きました。最後まで高耶さんを慕う美弥ちゃんとの別れが悲しいです。2012/01/28
あすな
12
「あなたは、もう俺だけのものだ……」。「(この男は、オレのものだ)」。十五万の夜を越えて、辿り着いたはずだった。/おおう…結ばれたはずなのに、何処へ行くのよ?!高耶ちゃん!!もう感情が振り回されっぱなしです。苦しくても痛くても、ただ生きて欲しかった。自分を縛りつけて欲しかった。使命なんて関係ない。ただ欲しかったんだと。互いにそう思っていたことがわかっているのに、どうしてこの二人は…!!まだ折り返し地点なんて!あんまりだ!/魂の寿命って…あんまりだ。謙信公も残酷なお人だよ。高耶ちゃんカムバック!!2014/01/15
ブラックジンジャー
11
せっかくの二人きりの時間も色々な状況を考えると、辛くなってしまいます。謙信の考えもわかったけど、更にどうしようもない。…にしてもこれで半分とは、どうしましょ(>_<)2012/09/17
momo
9
二十巻でようやく結ばれるというのは知っていたので、とりあえず二十巻まで…二十巻まで……と呪文のように唱えながらここまで一気読みしてきたけれど、まさかこんな二人だけの刹那的な幸せだとは……。何度も何度も宿体を変えながら生き続けてきた景虎、というか高耶が、今の橘義明としての直江の肉体に執着しているところに何かこの物語における一つの本質が見えた気がした。しかし一番泣いたのは一章の美弥ちゃん…以前から徐々に感じられていた「仰木高耶」の帰る日常の喪失が、もう完全に戻れないところまで来てしまったことがただただ切ない。2013/08/16
きゅ-ちょー@悩惚堂本舗
8
二人に訪れた刹那の蜜月。ひたすら二人の情愛の深さが描かれる。ちょうど物語の半ばにして、大きなターニングポイントとなるであろう巻。二人の想いを吐き出すように搾り出すように描く作者の熱情まで伝わってくる。2011/09/17
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