内容説明
高坂(こうさか)の謀略で慈光寺(じこうじ)を爆破され、九死に一生を得た高耶(たかや)。だが、住職の国領(こくりょう)は瀕死の重傷を負ってしまった。自分の無力さを知り、かつての景虎(かげとら)の《力(りょく)》を取り戻そうと苦しむ高耶だが…。一方、仙台に集結した千秋(ちあき)、綾子らは、仙台市を『金輪(きんりん)の法』を用いた巨大な結界(けっかい)で包囲する最上義康(もがみ よしやす)を追っていた。呪法(じゅほう)の「壇(だん)」となる陥没事故現場を舞台に、義康と冥界上杉軍(めいかいうえすぎぐん)の対決が始まった!
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
みやこ
61
「上杉景虎」としての彼を望む声と「仰木高耶」を捨てるなと叫んだ親友。共存を意識する中で覚醒しつつある力。直江の隣で毘沙門刀を振るう高耶の姿には、痛々しさと高揚感を覚える。そして、記憶はなくとも、景虎は間違いなく高耶の中に在るのだと思わせる片鱗がチラチラと。街や人々を護ろうと必死に駆けずりまわる者たちがいる一方で、破壊を目論む輩がいる。どこまでも戦国に生きる者の思考で暗躍する高坂や最上とは対照的に、伊達は現世の人々を傷つけまいと、戦場に赴く。時を経て蘇った者達は皆、過去に囚われたままで、どこか忍びない。→2016/07/09
みや
20
仙台編後編。今回はバトルシーンがいっぱいで、後半は特に楽しかった。呪詛や招魂法など 仏教・陰陽道・密教が沢山取り入れられているのも非常に嬉しい。こういうのが大好き。徐々に過去が明かされ、キャラが増え、巻が進むごとに面白くなっていく。メインの戦国怨将たちとの戦いだけでなく、譲によって自分の大切さに気付く場面や母子の愛といった内面の部分も丁寧に描いてくれるから、好きな人物がどんどん増えていった。根は絶対に良い人なのに父のせいで戦いに巻き込まれた義康の最期が可哀想すぎる。史実の伊達一族について、もっと知りたい。2018/05/27
カキ@persicape
17
すみません、コバルトだからってなめてました。過去が壮絶、闇は深し((((;゚Д゚))))前巻でえぇ!?なんでそんなことしちゃったの!?と驚かされた直江さんですが、便利な高坂さんのおかげで詳細が少し明らかに。なるほど理解した。これってあれでしょ?お家の為、主従の役目として当然と盲目のあまり機械的に冷酷にやってしまったんでしょ?でも一方で景虎様!!とただただ仰いで見つめる想いもあって、理にかなっていると主張する自分は言い訳に過ぎず歪んでいるという苦悩があるんでしょ?だから彼を傷つけたと?いいぞもっとやれ。←2017/12/13
藤月はな(灯れ松明の火)
17
ぬら孫やGATE7などを読みながら長いこと、考えていた炎の蜃気楼、読破を目指し、遂に決行いたしました。なぜ、4巻から読んだかと言うとメモリアルで3巻分は読んでいたからです(ミラジュンヌの皆様、不精な読み方ですみません)息を呑む呪詛返しと調伏に対し、我が子に対する思いや己を捨てずに力を得ることの意味など心に沁みます。そして伊達政宗が素敵すぎます。あとがきからメモリアルにも収録されていたインタビューの通り、このシリーズは読者と作者による一対一で作り上げられたものでもあったのだなと思わずにはいられません。2012/01/07
フキノトウ
13
譲の正体が気になります。景虎と直江これからどうなっていくんだろう。景虎が直江に、心開いてるだけにとっても不安です。2013/12/23